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【卓球】異質とはなにか―特異なプレースタイルとクセの強い選手たち

異質型とは、ラケットに異質ラバーを貼ってプレーするプレースタイル(戦型ともいう)のことで、全体の3割を占め、比較的男子よりも女子に多いスタイルです。

そして異質ラバーとは裏ソフトラバー以外のラバーのことを言い、

  • 表ソフトラバー
  • 粒高ラバー
  • アンチラバー

のことをまとめて異質ラバーと言います。

裏ソフトラバーと粒高ラバーでは、下の写真のように見た目が全く違います(ただし、アンチラバーの見た目は裏ソフトラバーとほぼ同じです)。

同じ異質ラバーでも、表ソフトラバー、粒高ラバー、アンチラバーで性質が大きく異なるため、使用する異質ラバーによってプレースタイルは全く違います。

つぶまる

私は、シェークハンドラケットのバック面に粒高ラバーを貼ってプレーするシェーク裏粒前陣異質攻守型と呼ばれるプレースタイルです。

本記事では、異質型プレーヤーの戦型と戦い方にについて解説し、異質型の選手たちを紹介します。

ちなみに、両面に裏ソフトラバーを貼って戦うプレースタイルは「ドライブ主戦型」と呼ばれる王道のプレースタイルで、全体の7割を占めます。(例:張本智和選手、早田ひな選手、平野美宇選手など)

この記事を書いた人

卓球が趣味のアラフィフおばさん
上級公認審判員
とある地方卓球協会の役員

卓球はあまりうまくはないけど用具の研究は好き

女性目線で紹介するよ
目次

異質型選手のプレースタイル分類

異質型選手の戦い方は、スピードと回転量のある裏ソフトラバーと、変化のある異質ラバーとの性質の差を利用して相手のペースを崩していくのが基本です。

異質型のプレースタイルも、大きく3つに分けられます。

  1. 守備型
  2. 攻撃型
  3. 攻守型

ここでは上記3つのプレースタイルについてさらに解説します。

異質守備型

守備型の代表は、カット型。

シェークハンドラケットを使用するのが一般的ですが、年配の方でごくごく稀にペンラケットのカット型を見かけます。

シェーク裏表または裏粒カット型

フォア面に裏ソフトラバーを貼り、バック面に表または粒高、あるいはアンチラバーを貼り、カットを多用して戦うスタイルです。

同じカット型でもその戦い方は様々。

フォア、バックともにカットを主とする選手もいれば、バックに来たボールはカットで返してもフォアに来たボールはカットではなくドライブメインで返す選手もいます。

構える位置は中陣から後陣です。

代表選手
  • 橋本帆乃香選手
  • 佐藤瞳選手
  • 村松雄斗選手

異質攻撃型

異質面を積極的に使用して相手のペースを乱す選手もいれば、異質面はつなぎとしてしか使用していない選手まで、幅広く存在します。

日本式反転ペン(ローター)異質攻撃型または中国式ペン異質攻撃型

主に使用するのは裏ソフトまたは変化系以外の表ソフトラバーを貼った面であり、たまに反転して変化系表ソフトまたは粒高ラバーで相手のミスを誘ったり、チャンスメークをするスタイルです。

粒高はメインではありません。

レシーブだけ粒高面を使用する人もいます。

構える位置は主に前陣。

シェーク異質攻撃型

フォア面に裏ソフトラバーを貼り、バック面に球離れの早い表ソフトラバーを貼り、ミート打ちを多用するスタイルです。

異質攻撃型の代表的選手は伊藤美誠選手。

逆に、フォア面に表ソフトラバーを貼り、バック面に裏ソフトを貼ってスマッシュ主体で戦うスタイルもあります。

スウェーデン男子選手のファルクがこのスタイルで、2018年の世界卓球でベスト4入りした時は卓球界に衝撃を与えました。

構える位置は前陣から中陣です。

異質攻守型

粒高面で球威や回転を押さえ込んで粘り(守備)、相手のミスを誘い、甘く返ってきた球を裏ソフトラバーまたは表ソフトラバーを貼った面で叩く(攻撃)スタイルです。

ゆえに、守備型と攻撃型を併せ持つ攻守型というスタイル。

つぶまる

嫌らしいプレースタイルとよく言われます(褒め言葉)。

日本式反転ペン異質攻守型または中国式ペン異質攻守型

いわゆるペン粒と呼ばれるスタイルです。

主に使用するのは粒高または変化系表ソフトラバーを貼った面で、相手のミスを誘う守備重視のスタイルです。チャンスボールは反転するか、または裏面打法で裏ソフトラバーやスピード系表ソフトラバーを貼った面で攻撃します。

サーブだけ裏ソフトラバーを貼った面を使用し、それ以外はすべて異質面という人もいます。

つぶまる

サーブだけ裏ソフトの場合は、攻守型というより守備型ですね

構える位置は前陣です。

ペン異質攻守型の代表選手は、還暦を過ぎても世界で戦う倪夏蓮選手。

シェーク異質攻守型

フォア面に裏ソフトラバーを貼り、バック面に粒高あるいはアンチラバー、変化系表ソフトラバーを貼ります。バック面で粘り、甘い球はフォア面で叩くスタイルです。

構える位置は前陣。

シェーク異質攻守型の代表選手はインドのマニカ・バトラ選手。

攻守型とはいえ、世界で戦う選手たちは攻撃要素が多め。

アンチラバーを貼っている選手は、攻撃よりも守備要素がやや多い印象があります。

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観ていて楽しい異質型

裏ソフトラバー以外の異質ラバーを貼っていれば、すべて異質型プレーヤーに分類されます。

一口に異質ラバーと言っても、表ソフトラバーと粒高ラバー、アンチラバーでは性質が全く異なりますし、それを扱う選手たちはそれに合わせたプレースタイルで戦います。

実際には攻撃型、攻守型、守備型と明確に分けられるものではなく、かなりグラデーションがあるのが実際のところ。

カットマンを除を除く異質型の選手は王道のドライブ主戦型に比べ、ざっくりとした傾向として、以下のような特徴があります。

  • ドライブよりもスマッシュを多用する
  • ブロックやカウンターを多用する
  • 意表を突くプレーが比較的多い

一般的に、小柄な選手は大柄な選手に比べてパワーで劣ってしまうので、球質の変化とタッチの速さで勝負するために異質ラバーを選ぶことが比較的多いかな。

小柄な選手でも異質ラバーを使用してチャンスを生み出し、スマッシュをバシバシ打つ。

現在デンソー卓球部のマネージャー。小柄だけど、バックの変化とフォアのスマッシュでインハイ・インカレ制覇しています。

スマッシュは小柄な選手のほうが出しやすく、小柄な人でも勝ち筋があるのが卓球の良いところ。

伊藤美誠選手のようにガンガン攻撃する選手から、ひたすらブロックやカットで粘るだけでほとんど攻撃をしない選手まで、幅広く存在します。

それだけ異質型は奥が深く、プレーする方も見ている方も面白いのです。

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