ムラデノビッチ選手はバック面にアンチラバーを貼っているルクセンブルクの男子選手です。
アンチラバーを使用する選手は、粒高ラバーを使用する選手よりも希少な存在。しかも男子となると、希少性はさらに増します。
地方大会レベルでも極稀に見かける程度。
ムラデノビッチ選手は、そんな希少なアンチラバーというプレースタイルで活躍する選手です。
本記事では、アンチ使いの男子選手、ムラデノビッチ選手を紹介します。
昔の動画を見るとメガネを掛けている選手だよ。最近コンタクトレンズにしたのかな?
ムラデノビッチ選手の実績
ムラデノビッチ選手は2016年よりヨーロッパ選手権や世界選手権大会に参加しており、2017年からブンデスリーガのFCV Mainzに所属しています。
FCV マインツ公式サイト
2017年に初代ルクセンブルク王者になっています。
世界ランキング
部門 | ランキング | 部門 | 最高ランキング | 取得時期 | |
---|---|---|---|---|---|
シニア | 2024年第27週 | 90 | シニア | 86 | 2024年7月 |
男子ダブルス | 2024年第27週 | 390 | 21歳以下 | 38 | 2019年8月 |
混合ダブルス | 2024年第27週 | 43 | ジュニア | 22 | 2016年5月 |
カデット | 191 | 2013年2月 |
ムラデノビッチ選手のプレー
後ろに下がってパワープレーする男子選手が多い中、ムラデノビッチ選手は190cmという長身にも関わらず、前陣に張り付いてプレーする選手。
卓球台がとても小さく見えてしまいますね
ドライブ型選手に比べると、構える位置はバックを活かせるセンターよりです。
相手が中陣や後陣から打ってきたボールを、アンチ面でネット際に落としたかと思うと、深いところに流し打ちを鋭く決めるなど、コース取りがひじょうに巧み。
このプレーに注目!
- バックはアンチ面でばかり打っているわけではなく、反転させて裏ソフト面で攻撃!
- 反転させてフォアをアンチ面にして打つことも!
ラケットをとにかくよく反転させて打つ選手です。
くるっと反転させて、バックハンドドライブもすれば、バックハンドスマッシュも打ちます。
さすがにチキータはないですが、バックサイドに来たチャンスボールはラケットを反転させてすかさず攻撃を仕掛けています。
自分が今どちらの面で打っているのか、こんがらがったりしないのかしら?
裏ソフトラバーとアンチラバーでは打ち方が異なりますので、どちらの面でも打つことができる選手は、トップ選手でもあまりいません。
相手はどちらの面で返球するのかを見極め、それに合った返球方法をとっさに判断しなければならないため、ミスの確率が格段に上がります。
アンチ面と裏ソフト面での球質の変化についていけず、相手選手がミスを連発するシーンがしばしば見られます。イライラしているシーンも!
また、動画ではなかなかわからないかもしれませんが、相手の回転を殺して返しているときもあれば、相手のドライブ回転を増幅してそのまま返しているときもあります。
相手が持ち上げれないほどのぶちギレ下回転を返しているときもあります。
アンチラバーは粒高ラバーとはまた違った変化をします。
異質vs.異質
混合ダブルスの国際試合、ルクセンブルク代表ルカ・ムラデノビッチ(バックアンチ) / 倪夏蓮(ペン粒)vs.インド代表サシヤン・グナナセカラン / マニカ・バトラ(裏粒)。
ルクセンブルクペアの年齢差が話題になりましたが、同時にアンチ使いと粒高使いという異質コンビというのも話題になりました。
そして、対戦相手にも粒高使いがいるという……。サシヤン・グナナセカランこそドライブ型ですが、他の3選手は異質使い。
結果はインドペアが勝ちましたが、異質にもいろいろな戦い方があることがわかる、非常に面白い対戦です。
>>世界最強のペン粒おばちゃんこと倪夏蓮(NI Xia Lian・ニー シャーリエン)選手について詳しくはこちら
>>インドの長身選手マニカ・バトラ選手について詳しくはこちら
ムラデノビッチ選手の使用用具
異質攻守型は飛ばす必要はないので、飛ばない用具を選んでいます。
ラケット:JUIC Dr.Neubauer マタドール
ムラデノビッチ選手が使用しているラケットは、異質攻守型向けのラケットやラバーを開発・販売しているDr.Neubauerブランドのマタドールです。
プラボールでも浮かずに低く安定した変化球が打てるラケット。
その重量は88gとなっているので、特別重くも軽くもなく、扱いやすいラケットかもしれません。
このラケットも、もちろん粒高やアンチラバーを使用する人に適したラケットです。
粒高やアンチの変化は大きく、ここ一番で威力のあるスマッシュが打てるという触れ込み。
このマタドールは、弾まなくて遅いから良いんだよ。遅いから、アンチラバーが活きる!
このラケットのスピードは遅いですが、裏アンチ攻守型にスピードは必要ありません。遅いラケットの方がアンチラバーのコントロールがしやすいので、あえて遅いラケットを選んでいます。
フォア面:DONIC ブルーファイア M1 2.0mm
名前にブルーと入っていることからも分かるように、ブルースポンジを採用。
硬度は47.5°となっており、硬め。
硬めですが、実際には適度なスポンジへの食い込みがあり、上級者には使いやすいラバーです(初級者にはシート、スポンジともに硬すぎて扱いにくいラバーです)。
このラバーの評価は、「回転がかかる」という評価もあれば「回転がかからない」という評価もあります。ユーザーの戦型や打ち方、パワーによる違いが現れているのかもしれません。
卓球ラバーは、自分のパワーと打ち方に見合った硬さのラバーを使用しないと、回転はかかりません。
バック面:JUIC A-B-S
ひじょうに硬いアンチラバーであるため、アンチ使いの中でも上級者向けのアンチラバー。
とはいえ、アンチラバーの中では、比較的コントロール性能に優れるラバー。特に下回転のボールに対し、プッシュとリフトに優れた性能を発揮。
表面は独特の光沢があり、全然引っかかりません。相手の回転をそのままに返せます。
今は禁止されているアンチラバーに近い特徴を持っています。
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