フランス卓球界のアレクシス・ルブラン選手と弟のフェリックス・ルブラン選手は、メガネを着用したまま世界のトップレベルで活躍しています。
その姿を見て、

「コンタクトのほうがいいよ」って勧められるけど、メガネでも問題なくプレーできそうだよね?
と思った方もいるのではないでしょうか。
卓球は激しく動くスポーツです。そのため、メガネには次のような欠点があります。
- 汗がレンズについて見えにくくなる
- フレームによって視野が遮られる
- プレー中にメガネがズレる
こうした理由から、メガネからコンタクトレンズへ替える選手も少なくありません。しかし、ルブラン兄弟の活躍からも分かるように、メガネだから卓球で不利になるとは一概にいえません。
本記事では、卓球をするときはメガネとコンタクトレンズのどちらがよいのかを比較します。さらに、メガネのズレを防ぐ方法や、試合中にメガネを拭く際のルールについて解説します。



ちなみに私はメガネ派です。
メガネをかけて卓球をすることのデメリット3つ


卓球に限らず、メガネをかけたままスポーツをする人には共通の悩みがあります。心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
メガネをかけて卓球をする主なデメリットは、次の3つです。
- 汗がレンズについて見えにくくなる
- フレームが視野に入る
- プレー中にメガネがズレる
練習中であれば、ラリーの合間にレンズを拭いたり、メガネの位置を直したりできます。しかし、頻繁に繰り返していると、プレーへの集中を妨げる原因にもなってしまいます。
汗がレンズについて見えにくくなる
卓球は見た目以上に激しいスポーツであり、非常に汗をかきます。
動いたはずみで額の汗が飛び散り、メガネの内側についてしまうこともあります。



私も何度も経験しています。前髪についた汗がレンズに触れ、内側と外側の両方に汗がついてしまうこともあります。
レンズに汗がつくと視界がぼやけ、ボールが見にくくなります。
卓球のボールは直径40mmです。高速で飛んでくる小さなボールの高さやコースをわずかに見誤るだけでも、空振りしたり、打点がずれたりしてミスにつながる可能性があります。
また、レンズについた汗を簡単に拭くだけでは、汗に含まれる塩分や皮脂まできれいに取り除けません。レンズが白っぽく汚れたり、拭き跡が残ったりして、かえって見えにくくなることもあります。
フレームが視野に入る
メガネフレームは、どうしても視界に入ります。
特に太いフレームや、色の濃いタイプは、ボールを目で追うときに気になることがあります。
卓球では、飛んでくるボールを追いながら、相手の動きも視野に入れなければなりません。そのため、フレームによって視野が遮られることは、プレーにも少なからず影響します。
一方、細いフレームやハーフリム(レンズの下側にフレームがないタイプ)であれば、それほど気にならないこともあります。



私は細いフレームで大きめレンズです。
フレーム選びで軽減できる問題ですね。
プレー中にメガネがズレる
汗をかくと、メガネがズレやすくなります。特にズレやすいのが、鼻あて(ノーズパッド)!
次のような場面で、とりわけズレやすくなります。
- フットワークで激しく動くとき
- しゃがみ込んでサービスを出すとき
- レシーブでとっさに踏み込むとき
メガネがズレても、ラリー中に位置を直す余裕はありません。ラリーが終わってから鼻あての汗をサッと拭き、メガネをかけ直すしかありません。



ラリー中に「ズレたらどうしよう」と思うと、思い切って動けなくなっちゃうんだよね。
メガネがズレることへの不安は、プレーに思い切りがなくなるという点でも、大きなデメリットです。
対策方法はいくつもあるので、後述する「ズレを防ぐ3つの方法」をご覧ください。
それでもメガネを選ぶ3つのメリット



やっぱりコンタクトのほうが良いのかな?
と思われる人も多いでしょう。
しかしメガネにはコンタクトレンズにはない利点があります。
特に、大人になってから卓球を始めた方や、長く卓球を続けたい方には、メガネのほうが向いている場面も少なくありません。
目への負担・感染リスクが少ない
コンタクトレンズは、角膜に直接のせて使用する高度管理医療機器です。レンズの種類や装用時間、使用方法によっては、目の乾燥や角膜への酸素供給不足、感染症などのトラブルにつながる可能性があります。
体育館は、思っている以上にホコリの多い環境です。
その点、メガネは角膜へ直接触れないため、コンタクトレンズの装用に伴う目の乾燥や感染症のリスクを避けられます。
着け外しがすぐにできる
練習の合間、休憩中、車の運転。メガネであれば、外して拭いてかけ直すだけで済みます。
特に年齢を重ねた方は、「運転用」「読書用」など、用途に応じて度数の異なるメガネを使い分けています。
コンタクトをメガネのように用途に応じて付け替えようものなら、洗面所を探して手を洗い、レンズケースを開けて……という手間がかかります。



私は運転用と中近両用の2本を使い分けていて、卓球のときは中近両用のほうです。手元から数メートル先まで見やすいので、卓球台の距離ならこれで足りています。本当は遠近両用も試してみたいのですが、メガネは何本も作れるものではないので……。
花粉症やドライアイでも使いやすい
春先の花粉の時期は、コンタクトがつらいという声をよく聞きます。目薬をさすのも、メガネなら一瞬です。
一年を通してコンタクトを使い、花粉の時期だけメガネに戻すという方もいます。
メガネとコンタクト、卓球ではどっちがいい?


メガネとコンタクトのメリット・デメリットをまとめると、以下の表のようになります。
| 比較項目 | メガネ | コンタクトレンズ |
|---|---|---|
| 視野の広さ | フレームが視界に入る。 ハーフリムで軽減可。 | フレームに視野を遮られない |
| 汗・曇り | レンズに汗や汚れがつき、拭く手間がある | レンズ表面に汗がつく影響を受けにくい |
| ズレ | ズレる。 ただし、対策グッズで大幅に改善できる | ソフトコンタクトは比較的ズレにくい |
| 目への負担 | 角膜へ直接触れない | 装用方法や使用時間によって、乾燥や眼障害のリスクがある |
| コスト | 比較的長く使用できるが、修理や買い替えが必要 | 使い捨てタイプは継続的に費用がかかる |
| 試合中のトラブル対応 | 主審の許可を得て、ラリー間にメガネを拭ける場合がある | 外れたり違和感が生じたりすると、すぐに直しにくい |



並べてみると、視界のクリアさを優先するならコンタクト、目の健康と手軽さを重視するならメガネということがわかるね。
ただし、ここで強調したいのは「どちらが優れているか」ではなく、メガネのデメリットは対策次第でかなり潰せるということです。
実際に、ルブラン兄弟はメガネを着用したまま世界のトップレベルで活躍しています。メガネだからといって、無理にコンタクトへ替える必要はありません。
卓球用メガネを選ぶときのポイント


卓球用のメガネを選ぶときは、次の点を確認しましょう。
- 軽く、激しく動いてもズレにくい
- フレームが視界を遮りにくい
- レンズの上下幅が狭すぎない
- 鼻あてやテンプルを調整しやすい
- 卓球台から相手コートまで見やすい度数になっている
卓球では、ボールを見るために視線を上下左右へ動かします。レンズが小さすぎたり、太いフレームを使用したりすると、視線を動かしたときにフレームが気になることがあります。
ただし、顔の形や度数によって合うメガネは異なります。購入するときは、少し前傾姿勢を取ったり、顔を左右に動かしたりしながら、ズレや見え方を確認するとよいでしょう。
メガネがズレるのを防ぐ3つの方法
メガネ派にとって最大の悩みは、汗でメガネがずり落ちてくること。
耳フック(イヤーフック)・滑り止めノーズパッドを使う
現在のメガネをそのまま活かしたいなら、まずこれです。テンプル(つる)の先端に取り付けて、耳にひっかけて固定するタイプのパーツで、数百円から手に入ります。



耳フックは簡単につけられて、本当にズレなくなるので便利です。
着け外しは少しやりづらくなりますが、それだけしっかり固定されているということ。試合中に一度もメガネに触らずに済むのは、想像以上に快適です。
加えて、ズレの原因の多くは、汗で鼻あてが滑ることです。シリコン製の滑り止めタイプに交換するだけで、かなり改善します。
メガネ店で数百円〜千円程度、その場で交換してもらえることが多いです。
自分でシールタイプの滑り止めを貼る方法もありますが、汗で剥がれやすいので、交換してもらうほうが確実です。
スポーツバンド(ストラップ)で固定する
後頭部側でテンプルをつなぐバンドを使う方法です。子どもや、動きの激しいプレーをする方に向いています。
見た目は少しゴツくなりますが、確実性はいちばん高いです。
ヘッドバンド・リストバンドの活用
見落とされがちですが、意外と効果的です。
そもそも汗がレンズまで到達しなければ、曇りも汚れもズレも軽減されます。額の汗をヘッドバンドで受け止め、ラリーの合間の汗はリストバンドで拭います。
メガネ拭きを1枚、バッグに入れておくのも忘れずに。タオルやティッシュで拭くと繊維の跡が残って、かえって見づらくなります。



公式戦で使用する場合は、必ず公認メーカーのものを使用してください。
試合中にメガネを拭く際のルール


試合中にメガネに汗がついたからといって、いつでも自由に拭けるわけではありません。メガネを拭くときも、必ずルールに則って行ってください。
タオルタイムにメガネを拭く
卓球では、汗を拭きたいときにいつでもタオルを使えるわけではありません。ルール上、タオリング(タオルの使用)が認められるのは次のタイミングです。
- 各ゲームの開始から、両者の得点の合計が6の倍数になるごと(3-3、4-2、6-0など)
- 最終ゲームでエンドを交換するとき(どちらかが5点目を取った時点)


例外的措置として扱われるメガネ
基本的に、メガネもタオルタイムのときに拭くことが望ましいです。
しかし『審判員の手引』では、メガネを着用する競技者は特に暑い環境で特別な問題を抱えるとして、主審がラリーとラリーの間にメガネを拭く短い休止を許してもよいとされています。
そのため、汗でボールが見えにくくなった場合は、自分の判断で競技を中断せず、次のラリーが始まる前に手を挙げて主審へ申し出ましょう。
ただし、通常のタオル使用が認められる時間ではありません。顔や腕まで拭かず、メガネだけを短時間で拭きます。
必要以上に時間をかけたり、休憩のために繰り返し利用したりすると、遅延行為として注意や警告の対象になる可能性があります。


見えにくいまま失点してもレットにはならない
メガネに汗がついて見えにくくなっても、ラリーが始まったあとはメガネを拭けません。見えにくいままプレーを続けて失点しても、原則として、そのポイントがレットになることはありません。
汗で視界が悪くなってしまい、メガネが拭きたくなったら我慢せず、ラリーを始める前に手を挙げて主審に申し出ましょう。遠慮する必要は全くありません。



メガネについた汗で見えなくなったことを我慢しないでね。そんなことで良いプレーができなくなることのほうがもっと問題だから。
メガネをかけてプレーするトップ選手たち
多くありませんが、メガネをかけてプレーするトップ選手たちの存在を見れば、コンタクトにしなくても十分戦えるということが分かります。
ルブラン兄弟
冒頭でも紹介した、アレクシス・ルブラン選手とフェリックス・ルブラン選手。
2人ともメガネ姿がトレードマークで、「メガネ兄弟」と呼ばれるほどの知名度があります。
弟のフェリックス選手は中国式ペンホルダーという珍しいスタイルで、2024年のパリオリンピック男子シングルスで銅メダルを獲得。フランスに32年ぶりの男子シングルスメダルをもたらしました。
兄のアレクシス選手はシェークハンドの攻撃型。
2人とも注目の選手です。
サングラス型アイウェアを着用した水谷隼選手
東京オリンピックで着用していたサングラス型のアイウェアが話題になりました。一般的なメガネと違って下フレームがなく、視界の邪魔になりにくい形状です。
レーシック手術後の見え方の問題からアイウェアを使用していたとされており、卓球選手がアイウェアを着用する理由は、視力矯正だけではないことが分かります。
異質型にもいるメガネの選手たち
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卓球はメガネでも十分に戦える
コンタクトレンズは視野を遮るフレームがなく、激しく動いてもズレにくいため、卓球との相性がよい視力矯正方法です。
しかし、コンタクトレンズがすべての人に合うわけではありません。目が乾きやすい方や花粉症の方、角膜へレンズを直接つけることに抵抗がある方が、無理にメガネから替える必要はないでしょう。
メガネには、汗でレンズが見えにくくなったり、プレー中にズレたりする欠点があります。一方で、次のような対策によって負担を軽減できます。
- メガネ店でフィッティングを調整してもらう
- 耳フックやスポーツバンドを使用する
- 滑りにくい鼻あてへ交換する
- ヘッドバンドなどで汗が落ちるのを防ぐ
- 試合中に見えにくくなったら、ラリーの前に主審へ申し出る
ルブラン兄弟をはじめ、メガネを着用したまま世界のトップレベルで活躍する選手もいます。メガネであることが、卓球をするうえで決定的なハンディになるわけではありません。
視界の広さやズレにくさを優先するならコンタクトレンズ、目への負担や扱いやすさを重視するならメガネが選択肢になります。それぞれの特徴を理解したうえで、自分の目とプレースタイルに合った方法を選びましょう。



メガネ派の方は、まずフィッティングやズレ防止グッズから試してみてね。















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