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倪夏蓮(NI Xia Lian・ニー シャーリエン)選手:世界最強のペン粒おばちゃん

倪夏蓮(NI Xia Lian・ニー シャーリエン)選手は、ルクセンブルクの選手ですが、名前から分かる通り、中国からの帰化選手です。

パリオリンピック卓球競技では、最高齢の61歳での出場!

世界最強のペン粒おばちゃん」と一部では親しまれ、その卓球技術もさることながら、とても表情が豊かで、負けて悔しがるときの顔と勝ったときの笑顔がとても素敵なおばちゃんです。

親子以上、孫と祖母くらいに年齢が違う若い選手と対戦し、勝利している姿は、正直びっくりするね。

つぶまる

東京オリンピックのシングルスでは、残念ながら1回戦負けしちゃったけど、若い選手と競り合っている姿は、話題になっていたね。

2022年世界卓球(チーム戦)では、韓国戦で下馬評を覆すまさかの大金星!

59歳でチームの柱!

60歳にしてWTTのタイトルを取ってしまうパワフルさ!

61歳でオリンピック6回目の出場!

本記事では、還暦の60歳になってもまだまだ元気に第一線で活躍する倪夏蓮選手の強さを見ていきます。

この記事を書いた人

卓球が趣味のアラフィフおばさん
公認審判員
とある地方卓球協会の役員

卓球はあまりうまくはないけど用具の研究は好き

女性目線で紹介するよ
目次

倪夏蓮選手の実績

2023年WTTフィーダー・ハヴィジョフ大会では、60歳にして優勝し、話題になっていました。

還暦になっても、引退することなくまだまだ世界第一線で活躍する姿には、たとえ国は違っていても応援したくなる存在です。

世界ランキング

世界ランキング100位以内に入っている選手の中で、なんと最年長の60歳。

部門順位部門最高ランキング取得時期
シニア2024年第29週53シニア82002年4月
女子ダブルス2024年第29週33
混合ダブルス2024年第29週40

世界ランキング自己最高の8位になったとき、すでに38歳…。

ママ(1992年と2003年にお子様が生まれています)でも世界ランキング1桁です。

いやいや…、感服しますね。

女性は結婚や出産を期に引退しちゃう選手が多い中、お子さまが生まれてもなお、引退することなく第一線で活躍する現役選手であり続けることがすごい!!

還暦を過ぎてもなお、世界ランキング2桁台!!

主な戦績

選手としてのキャリアが長いだけに、大会実績もそれなりにたくさんあります。ここでは代表的なものだけに絞り込みます。

倪 夏蓮選手はかつては中国代表選手でしたが、1989年(26歳)に中国を離れてヨーロッパに渡り、1991年からルクセンブルク代表選手として活躍。

東京オリンピックでも、2021年世界卓球でも、ルクセンブルク代表選手として活躍している姿は話題になっています。

国籍開催年大会名成績
中国1984アジア選手権大会準優勝
中国1985アジア選手権大会準優勝
LUX1996プロツアー・ベルグラード3位
LUX1996ヨーロッパTOP12・シャルルロア優勝
LUX1997ヨーロッパTOP12・エイントホーフェン優勝
LUX1997プロツアー・グダニスク準優勝
LUX1997プロツアー・ケタリング3位
LUX1998ヨーロッパ選手権大会・エイントホーフェン優勝
LUX1998ヨーロッパTOP12・ハルムスタード優勝
LUX1998プロツアー・ヒューストン優勝
LUX1999ヨーロッパ選手権大会・スプリト3位
LUX1999プロツアー・メルボルン3位
LUX1999プロツアー・ドーハ2位
LUX2000ヨーロッパTOP12・アラッシオ3位
LUX2001ヨーロッパ選手権大会・ヴェルス準優勝
LUX2002ヨーロッパ選手権大会・ザグレブ優勝
LUX2002ヨーロッパTOP12・ロッテルダム3位
LUX2007ヨーロッパ選手権大会・ベルグラード準優勝
LUX2012ヨーロッパTOP12・ビルールバンヌ3位
LUX2014チャレンジシリーズ・ラゴス3位
LUX2018ヨーロッパ選手権大会・アリカンテ3位
LUX2018チャレンジシリーズ・ザグレブ3位
LUX2021世界選手権、女子ダブルス3位
LUX2023WTTフィーダー・ハヴィジョフ優勝

最近は流石に上位入賞することは少なくなってきたとはいえ、いやはや今でもすごい実績を重ねています。

パワーやスピードよりも、技術と経験が物を言うペン粒という特殊な戦型も関係しているとは思います。

2度の結婚と、2回の出産を経てもなお、第一線のトッププレーヤーとして活躍し続けているという実績は、同じ女性として尊敬に値します。脱帽です。

中国を離れてルクセンブルクに渡り、夫でありコーチであるトニー・ダニエルソンと出会ったことが大きいのではないでしょうか。中国にとどまっていたら、今なお現役であり続けることはできなかったかもしれません。

倪夏蓮選手のプレー

夫でありコーチでもあるトニー・ダニエルソンの表情と合わせて見ると、とても微笑ましくて、厳しい試合の中にも癒やしを感じます。

80年代の元中国代表 対 現在の中国代表の対決とも言える試合映像です。年齢差は、ちょうど親子ぐらいになるのではないでしょうか。

対戦相手の朱雨玲選手は、当時世界ランク1、2位を争うような超トップ選手。

朱雨玲選手がパワーで押し込んだボールを倪夏蓮選手が粒高面でブロックするため、いつもと違ってボールが伸びてみません。 あの朱選手の態勢がちょっと崩されてしまっているような場面が、見られます。

相手がスマッシュを打ってきたら、つい後ろに下がってボールを拾おうとしますが、粒高で返球したボールはそこまで伸びていきません

戦術巧者

相手選手がちょっと苛ついてスキなんか見せようものなら、ペン粒特有の巧みなコース取りで右や左へと振り回します。

倪選手は、表ソフト面だけでなく、粒高面でもスマッシュやドライブもします。

いつも粒高面でプレーしていると思いきや、時々ラケットを反転させて表ソフトラバーの面で打っていることもあります。

ラケットを回す回転速度が早いので見落としがちですが、時々違う色の面で打っていることに気が付きます。

つぶまる

両方の面で打てるのは、戦術に幅が出ますし、強みになります

  • 年齢を感じさせない反応速度
  • 年齢を感じさせないフットワーク
  • 1時間以上におよぶ長時間の試合になっても耐えられるスタミナ

年齢を重ねた今は、きっと、若いときと同じような練習はできないと思います。

ニー選手の試合を見ていて、

つぶまる

すごく頭のいい人だな

と思うこともしばしば。

自分なりに年相応の効率的な練習方法を日々考え、練習しているのではないでしょうか。

私は、室伏広治に通じるものを感じてしまったのだが……。

室伏選手は、年齢に応じたトレーニング方法を試行錯誤しながら行っていたそう。きっと、ニー選手も同じように、年齢に応じた練習をしていると推定しています。

異質vs.異質

混合ダブルスの国際試合、ルクセンブルク代表ルカ・ムラデノビッチ(裏アンチ) / 倪夏蓮(ペン粒)vs.インド代表サシヤン・グナナセカラン(裏裏) / マニカ・バトラ(裏粒)。

ルクセンブルクペアの年齢差が話題になりましたが、同時にアンチ使いと粒高使いという異質コンビというのも話題になりました。

そして、対戦相手にも粒高使いがいるという……。サシヤン・グナナセカランこそドライブ型ですが、他の3選手は異質使いの代表選手。

結果はインドペアが勝ちましたが、異質にもいろいろな戦い方があることがわかる、非常に面白い対戦です。

>>インドの長身選手マニカ・バトラ選手について詳しくはこちら

>>裏アンチの男子選手ルカ・ムラデノビッチ選手について詳しくはこちら

倪夏蓮選手の使用用具

倪夏蓮選手はVICTASの契約選手です。

VICTAS スワット

程よい弾みがあり、初心者から上級者まで使用できる定番ラケット。

以前は廃盤になったパーソンパワープレイを用いていましたが、現在はVICTASのスワットを使用しています。VICTASと契約したからかもしれません。

倪夏蓮選手はもともと表速攻の攻撃型選手だったということもあって、ラケットも守備よりも攻撃面を重視した選択になっています。

2023年11月に、『卓球王国』とVICTASのコラボで『倪夏蓮』の名を冠したラケットが販売されます。

つぶまる

私がもしペン粒型だったら、きっと購入してます。だって、還暦を過ぎてもなお第一線で活躍する倪夏蓮選手に、あやかりたいもん。

卓球王国2023年12月号の広告記事に、この『倪夏蓮』ラケットと、倪夏蓮選手のコメントが掲載されています。

フォア面 カールP-1R OX

倪選手は粒高面でバシバシ攻撃していますが、これ、信じられないことに攻撃がしにくいカールP-1V(OX)なんですよね。

粒高ラバーでこんなに打てるものなのか、しかもカールP1V(OX)

変化は大きい反面、安定性がないという特徴があるので、スポンジありのソフトラバーをカットマンやペン粒選手が好んで使用しているものですが、倪選手スポンジなしの一枚ラバーであの攻撃をしています!

日々の練習で1週間持つか持たないかぐらいで粒が切れてしまうのが悩みのタネ」と、とあるインタビューで答えていました。

バック面 VICTAS VO>102

カタログには、攻撃的ハイエナジーテンション表ソフトとあります。

この表現から察するに、球離れが良くて、よく弾むラバーであることがわかります。

粒の形状は台形で横目なので、回転もある程度かけやすく、安定した球が打てるのではないでしょうか。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 初コメ失礼します!僕は、中学生になって、女子卓球部に入り、顧問の先生に、ペン粒にしていただいたのですが、正直、どんな打ち方をしたらいいのか、わかりません。

    • 粒は普通の打ち方をすると落ちます。
      まずはバウンド直後をほぼ垂直~軽く被せる感じで当ててみてください。うまく返球できるようになったら、少しずつ押し出すような感じで練習をしてみてください
      上回転に対しては、上から下に振り下ろす感じにすると、下回転のボールが返ります。
      最初はなかなか感覚がつかめないかもしれませんが、練習するうちになんとなくコツが分かってきますよ。

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