シェーク裏粒前陣異質攻守型といえば、福岡春菜選手を外してはいけません。
北京オリンピックの団体戦の日本代表として選ばれており、平野早矢香選手と福原愛選手と一緒に戦っていました。
このときは3位決定戦で韓国に 0-3 で負けてしまい、メダルを取ること叶わず、3人で号泣していたことをよく覚えています。
福岡選手は次のオリンピックには出場しませんでしたが、この涙が次のオリンピックでの日本女子団体戦銅メダルに繋がったのだと信じています。
2015年に引退されて、ご結婚されて(鎌田姓)います。現在は、卓球教室や解説者として時々メディアに登場し、卓球の普及に努めてくれています。2023年には全日本マスターズに出場され、話題になりました。
本記事では、福岡春菜選手の実績等を紹介いたします。
福岡春菜選手の主な実績
世界ランキング
部門 | 最高ランク | 取得時期 |
---|---|---|
シニア | 20 | 2007年11月 |
21歳以下 | 12 | 2005年11月 |
ジュニア | 43 | 2002年12月 |
主な戦績
年 | 大会名 | 部門 | 順位 |
---|---|---|---|
2004 | ユニバーシアード | 女子シングルス | 優勝 |
2005 | アジア選手権 | 混合ダブルス | 3位 |
2006 | 全日本卓球選手権 | 混合ダブルス | 優勝 |
2006 | 第48回世界卓球選手権大会 | 団体戦 | 3位 |
2006 | ITTFプロツアー・ブラジル | 女子シングルス | 優勝 |
2008 | 世界選手権 | 団体戦 | 3位 |
2008 | 北京オリンピック | 団体戦 | 4位 |
2023 | 全日本マスターズ | フォーティ女子 | 準優勝 |
これらの輝かしい実績を見て分かるように、かつては日本の卓球界を牽引していた方だということが分かります。
2023年の全日本卓球選手権大会(マスターズの部)の40代女子の部に出場され、準優勝されました。卓球大会の表舞台に登場したのは、久しぶりではないでしょうか。
組み合わせが発表された時、元オリンピアンがノーシードの1回戦から出場していると、SNSではちょっとした話題になっていました。
決勝では惜しくも負けてしまいました。しかし元オリンピアンが今でも卓球を続けており、選手として大会に姿を現してくれることは、往年の卓球ファンにとってたいへん喜ばしいことです。
ラケット失格事件
戦績とは違いますが、福岡選手といえばラケット失格事件がありました。
2006年の世界卓球選手権にて、ラケットのラバーの接着剤のキシレン量が規定より多かったため、試合には勝ったものの、失格となってしまったことがあります。
福岡選手は失格で負け扱いになってしまいましたが、その後4番手の福原愛選手が勝利したため、日本チームは準決勝に駒を進めることができています。
翌日の準決勝では、前日の失格にもめげずに試合ができたということで、技術だけでなくメンタルの強さも見習いたいポイント。
メンタルトレーニングについて、福岡選手は下記書籍で語っています。
大舞台で活躍している選手は、卓球の技術だけでなくメンタルも鍛えているもの。
メンタル弱弱な私は、見習いたいですね。
福岡春菜選手の卓球技術
福岡春菜選手といえば、バック粒高の技術だけでなく、王子サービスを始めとする多彩なサービス技術も有名です。
豊富なサービス
福岡春菜選手といえば、その豊富なサービスの種類が特徴です。
一説には、24種類あるとも言われています。
王子サーブが有名ですが、王子サーブだけでなく通常のサービスや巻き込みサーブなど、実に多彩なサービスを持ち味としています。
王子サーブを出す時、人差し指と中指の間でラケットを挟み込みます。親指と人差指でラケットを挟む通常の握り方とは異なります。
私は王子サーブを真似してみようとしたものの、グリップの握りかえがうまくできずラケットを落としまくり、断念しました。
ラケットを裏面でサーブを出すのって、難しい…。
今では、小学生が王子サーブを出しているのをよく見かけます。
しゃがみこみサーブなので、下半身をしっかり鍛えておかないと、成長すると出すのが難しくなるサーブです。
粒高技術
見習いたい技術満載です。
粒高で守るだけではなく、積極的に攻撃するのが福岡流。
長短をつけてどこに飛んでいくのかわからない読みづらさ。
粒高初級者は、当てるだけのプッシュやブロックばかりになってしまいます。福岡選手のプレーを見ていると、短く巧みに止めたかと思えば、長く深いところに速く低い攻撃的なプッシュを押し込んで相手を翻弄しているのが見て取れます。
粒高でも攻撃
粒高でスマッシュやドライブを打つことは不可能だと、かつては言われていました。
しかし福岡選手は不可能と言われたことにあえてチャレンジし、練習を積み重ねることで粒高面でのスマッシュやドライブをものにしてしまいました。
しかも粒高面で打つ球質はナックル性のスマッシュやドライブになるので、相手は戸惑います。
福岡春菜選手の使用用具
福岡春菜選手は用具をコロコロ変えることはありません。ずっと同じものを使い続けていました。
ラケットとフォア面で使用していたものは現在廃盤になっています。下記で紹介しているものは、日本代表選手として活躍していた頃に使用していた用具です。
今現在使用している用具が気になる。
ラケット PF4
7枚合板のPF4は、残念ながら今は廃盤となっています。
福岡選手は現役時代、このラケットを小学6年のときから使用しており、かなり使い込んでボロボロの状態だったようです。
粒高にあうラケットというのはなかなかないので、使い続けるしかなかったのでしょう。
「剛力」はPF4の後継と言われるラケットで、待ちに待ってた異質にあうラケットだったのかもしれないね。
フォア面 TSP トリプルパワー 薄
これも今は廃盤となってしまった粘着系のラバーです。薄を使用しているのが、最大の特徴です。
福岡選手を真似て、半年ほどこのラバーを使用したことがあります。非常に硬くて飛ばなくて、なかなか癖がある扱いにくいラバーでした。
パチンとスマッシュを打てばナックル性のスマッシュが直線的に飛んでいき、ブロックすればこれまたナックル性のボールが飛んでいくため、相手はかなりの高確率でネットに引っ掛けてくれます。
ボールをきちんとこすって打てば、切れたボールが飛んでいきます。
サーブは非常にやりやすいラバーでした。
普通にラリーをすると落ちます。ドライブも、スマッシュも、なぜか落ちます。飛びません。
相手に嫌がられるラバーでした。相手に嫌がられる一方で、自分も使いこなすのが難しく、回転を意識しないとすべての打球がナックル性になってしまう感じでした。
このようなラバーを巧みに操る福岡選手の凄さを、改めて感じました。
バック面 TSP CURL P-3 OX
バック面のラバーは、TSP カールP-3。現在はVICTAS カールP3V(OX)に名称を変えています。
カールシリーズの中では粒が太く短く、変化は小さいけれど安定性のある粒高ラバー。攻撃もしやすいラバーで、初級者から上級者まで使用者の多いラバーです。
攻撃ができないと言われている粒高ラバーですが、福岡選手は練習を積み重ねることにより、粒高でもスマッシュやドライブが打てるようになっています。
私も福岡選手を見習って、粒高だから攻撃できないのではなく、攻撃できるように練習しています。
「粒高=攻撃してこない」と思い込んでいる相手に、粒高での攻撃は相手にかなりのプレッシャーを与えるので効果的。
コメント