アメリー・ゾルヤ選手はフォア面に表ソフト、バック面にアンチラバーを貼った異質攻守型のオーストリアの選手。
母は元卓球のブンデスリーガ、父も何度か州大会で優勝したことのある選手という家庭に生まれ、姉妹たちもブンデスリーガという卓球一家。

東京オリンピック混合ダブルス水谷・伊藤ペアが奇跡の大逆転をした時の相手、ドイツのペトリッサ・ゾルヤ (Petrissa Solja) 選手はアメリーの妹だよ。
ちなみに妹のペトリッサ・ゾルヤ選手は、姉のアメリーと違って裏裏の正統派攻撃スタイルです。



姉妹で国が違うなんてことがあるんだ?!
アメリーも以前はドイツの代表選手として活動していましたが、2011年からはオーストリア代表選手として活躍しています。
ちなみに、ランキングは妹のほうが上。
アメリー・ゾルヤ選手の実績
世界ランキング
部門 | ランキング | 部門 | 最高ランキング | 取得時期 | |
---|---|---|---|---|---|
シニア | 2023年第30週 | 125 | シニア | 47 | 2014年10月 |
女子ダブルス | 2023年第30週 | 136 | 21歳以下 | 18 | 2008年1月 |
混合ダブルス | 2023年第30週 | - | ジュニア | 4 | 2008年2月 |
主な戦績
開催年 | 大会名 | 部門 | 順位 |
---|---|---|---|
2005 | ヨーロッパジュニア選手権大会 | カデット女子ダブルス | 優勝 |
2006 | ヨーロッパジュニア選手権大会 | 女子ダブルス | 優勝 |
2006 | ジュニア世界選手権大会 | 女子シングルス | 3位 |
2006 | プロツアー・スロバキア大会 | 女子ダブルス | 3位 |
2007 | ヨーロッパジュニア選手権大会 | 女子シングルス | 準優勝 |
2007 | ジュニア世界選手権大会 | 女子シングルス | 3位 |
2007 | ジュニアサーキット・スペイン大会 | 女子シングルス | 準優勝 |
2007 | ジュニアサーキット・ポーランド大会 | 女子シングルス | 3位 |
2008 | ジュニアヨーロッパ選手権大会 | 女子シングルス | 準優勝 |
2008 | ジュニアヨーロッパ選手権大会 | 女子ダブルス | 準優勝 |
2008 | ジュニア世界選手権大会 | 女子シングルス | 準優勝 |
2008 | ジュニアサーキット・チュニジア大会 | 女子シングルス | 3位 |
2010 | プロツアー・モロッコ大会 | 女子ダブルス | 3位 |
アメリー・ゾルヤ選手はもともとバック面にアンチ粒高を貼っていた選手でした。
2008年7月にアンチ粒高は使用禁止になったため、その後は表彰台からは遠ざかるようになってしまっています。
アメリー・ゾルヤ選手のプレー
下記に紹介するように、フォア面が変化型表ソフト、バック面がアンチラバー。



使用する用具を見るだけで、飛んでくるボールの球質が普通ではなくやりづらいことが想像できるね。
フォア表、バックアンチというひじょうに珍しいスタイルがゆえに、その球質変化にほとんどの相手は苛つきます。
こういう相手に対し、苛ついたら負けです。
石川佳純選手ですら、アメリー・ゾルヤ選手の球質変化に苛つき、2ゲーム目を落としてしまっています。
石川選手の表情に、その苛つきぶりが伺えます。相当苛ついています。
しかし3ゲーム目以降はボールを丁寧に扱い、落ち着いたプレーでゲームに勝つことができています。
プッシュとブロックでひらすら粘る
そもそも攻撃が難しいラバー特性も相まって、相手の攻撃をひたすらプッシュとブロックで返球し、相手のミスを誘います。
アメリー・ゾルヤ選手は相手の攻撃を簡単に打ち返しているように見えますが、
アンチラバーでこれだけミスなく返球する技術はやはりトッププレーヤー



アンチラバーって、扱いが難しいんだよね。
球質がいやらしいだけでなく、フォアでもバックでも、足を鳴らして打つ癖があるようで、その音に対しても相手選手が苛ついている自滅する場面もよく見られます。
床材に音があまり響かないものを使用している大きな大会の時は気になりませんが、普通の体育館の床ではかなり気になる音です。
アメリー・ゾルヤ選手の使用用具


フォア面に変化系表ソフトラバー、バック面にアンチラバーを使用しているので、球質変化のエグさが使用する用具だけで分かります。



こんな選手と当たってしまったら……、私は自滅する自信あります。
ラケット JOOLA ロスコフ フォース
しっかりとした打球感のあるカーボン入りの弾むラケットです。
特殊素材ラケットとしては弾みが抑えめで、はじめて特殊素材入のラケットを使用するという人におすすめのラケットですが、残念ながら現在は廃盤になっているようです。
フォア面 Dr.Neubauer キラー
縦目の表ソフトラバーです。
表ソフトラバーとしてはやや柔らかめのピンクスポンジを採用しており、指で押すと表にしては粒が倒れます。
変化系表ソフトラバーといったところでしょう。アタック8に似ています。


バック面 Dr.Neubauer バッファロー
前陣向けのアンチラバーという触れ込みのラバーです。
シート、スポンジともにひじょうに硬く、表面はサラサラでひじょうに滑るラバーです。
トップシートは粒が薄く、粒は小さく、間隔が広くなっています。
アンチラバーだからといって全く切れないわけではなく、インパクトを強く当てれば切れます。
かなりクセの強いアンチラバーで、使いこなすまでに時間を要しますが、使いこなすことができれば相手を惑わすひじょうに大きな武器になるでしょう。




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