異質型とは、ラケットに異質ラバーを貼ってプレーするプレースタイル(戦型ともいう)のことです。
そして異質ラバーとは裏ソフトラバー以外のラバーのことを言い、
- 表ソフトラバー
- 粒高ラバー
- アンチラバー
のことをまとめて異質ラバーと呼びます。
異質ラバーに何を使用するかによって、そのプレースタイルは全く違ったものになります。
私は、バック面に粒高ラバーを貼ってプレーする裏粒前陣異質攻守型と呼ばれるプレースタイルだよ。
異質型のプレースタイルも、大きく分けて守備型と攻撃型があり、その中間として攻守型があります。
- 守備型
-
- 異質カット型(例:橋本帆乃香選手)
カットを主体とする戦型
- 異質カット型(例:橋本帆乃香選手)
- 攻撃型
-
- 異質攻撃型(例:伊藤美誠選手)
表ソフトラバーを貼ってスマッシュ攻撃を主体とする戦型
- 異質攻撃型(例:伊藤美誠選手)
- 攻守型
異質型選手の戦い方の基本
スピードと回転量のある裏ソフトラバーと、変化のある異質ラバーとの性質の差を利用して相手のペースを崩していくのが基本です。
カットマンを除き、異質型のプレーには
- ドライブよりもスマッシュを多用する
- ブロックやカウンターを多用する
- 意表を突くプレーをする
といった特徴があります。
ドライブ型のようにパワーで勝負できない小柄な選手が、球質の変化とタッチの速さで勝負。
小柄な選手でも異質ラバーを使用してスマッシュをバシバシ打っていく。スマッシュは小柄な選手のほうが出しやすく、小柄な人でも勝ち筋があるのが卓球の良いところ。
同じ異質型でも、
- 守備メインか攻撃メインか
- ペンラケットかシェークハンドラケットか
で大雑把に分類できます。
異質守備型
守備型の代表は、カット型。シェークハンドラケットを使用するのが一般的ですが、年配の方でごくごく稀にペンラケットのカット型を見かけます。
シェーク裏表または裏粒カット型
フォア面に裏ソフトラバーを貼り、バック面に表または粒高、あるいはアンチラバーを貼り、カットを多用して戦うスタイルです。
フォア、バックともにカットを主とする選手もいれば、バックに来たボールはカットで返してもフォアに来たボールはカットではなくドライブメインで返す選手もいます。
同じカット型でもその戦い方は様々です。
構える位置は中陣から後陣です。
- 橋本帆乃香
- 村松雄斗
異質攻撃型
異質面を積極的に使用して相手のペースを乱す選手もいれば、異質面はつなぎとしてしか使用していない選手まで、幅広く存在します。
日本式反転ペン(ローター)異質攻撃型または中国式ペン異質攻撃型
主に使用するのは裏ソフトまたは変化系以外の表ソフトラバーを貼った面であり、たまに反転して変化系表ソフトまたは粒高ラバーで相手のミスを誘ったり、チャンスメークをするスタイルです。
粒高はメインではありません。
レシーブだけ粒高面を使用する人もいます。
構える位置は主に前陣です。
シェーク異質攻撃型
フォア面に裏ソフトラバーを貼り、バック面に球離れの早い表ソフトラバーを貼り、ミート打ちを多用するスタイルです。代表的な選手は伊藤美誠です。
逆に、フォア面に表ソフトラバーを貼り、バック面に裏ソフトを貼ってスマッシュ主体で戦うスタイルもあります。スウェーデン男子選手のファルクがこのスタイルで、2018年の世界卓球でベスト4入りした時は卓球界に衝撃を与えました。
構える位置は前陣から中陣です。
異質攻守型
粒高面で球威や回転を押さえ込んで粘り(守備)、相手のミスを誘い、甘く返ってきた球を裏ソフトラバーまたは表ソフトラバーを貼った面で叩く(攻撃)スタイルになります。
ゆえに、守備型と攻撃型を併せ持つ攻守型というスタイル。
嫌らしいプレースタイルとよく言われます(褒め言葉)。
日本式反転ペン異質攻守型または中国式ペン異質攻守型
いわゆるペン粒と呼ばれるスタイルです。
主に使用するのは粒高または変化系表ソフトラバーを貼った面で、相手のミスを誘う守備重視のスタイルです。チャンスボールは反転するか、または裏面打法で裏ソフトラバーやスピード系表ソフトラバーを貼った面で攻撃します。
サーブだけ、裏ソフトラバーを貼った面を使用する人もいます。
サーブだけ裏ソフトの場合は、攻守型というより守備型ですね
構える位置は前陣です。
シェーク異質攻守型
フォア面に裏ソフトラバーを貼り、バック面に粒高あるいはアンチラバー、変化系表ソフトラバーを貼ります。バック面で粘り、甘い球はフォア面で叩くスタイルです。
構える位置は前陣です。
最後に
裏ソフトラバー以外の異質ラバーを貼っていれば、すべて異質型プレーヤーに分類されます。
一口に異質ラバーと言ってもさまざまな性質のものがありますし、それを使用する選手もさまざまなプレースタイルがあります。
一概に、攻撃型、攻守型、守備型に分けられるものではなく、かなりグラデーションがあります。
伊藤美誠選手のようにガンガン攻撃する選手もいれば、ひたすらブロックやカットで粘るだけでほとんど攻撃をしない選手まで、幅広く存在します。
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