粒高ラバーって種類が多すぎて、どれを選べば良いのかわからない。
そう思う人は多いでしょう。
同じ異質型でも個々人でスタイルは微妙に違いますし、卓球の技術レベルも違います。
個々人の個性に合った異質ラバーを数多くある中から選ばなければなりません。
戦型だけでなく、ラケットとの相性もありますし、私もどれが良いのかいつも悩みます。だからこそいろいろ試しています。
選び方を知っていても、これがなかなか曲者で、使ってみなければわからないというのが正直なところ。
いろいろなタイプの粒高を試してみて、本当に自分にあったものを絞り込んで探していくしか方法はありません。
とはいえ、実際にいろいろ試すのは経済的にも時間的にも難しいもの。そこで、
本記事では、粒高ラバーを選ぶときの一般的なポイントを紹介します。
粒高ラバーを選ぶときは、以下の項目に注目します。
特に重要なのは上の2つ。
- スポンジの有無と厚さ
- 粒の形状
- 粒の硬さ
- 粒の間隔
- 網目があるかないか
- 縦目か横目か
これらのポイントを参考にして、自分の理想に近い粒高ラバーを探してみてください。
粒高ラバーを選ぶときのポイント
一口に粒高ラバーと言っても、さまざまなタイプがあり、裏ソフトラバーとはまた違った選ぶときのポイントがあります。
スポンジ有りか無しか
スポンジのあるソフトと、スポンジのない1枚ラバーのOXに分かれます。
スポンジの有無による違いは、こちらで詳しく解説しています。
スポンジあり
ペン粒選手およびカットマンは、スポンジありのラバーを選択することが多いです。
スポンジの厚みが増すと、表ソフトラバーに近い感覚になります。
変化の度合いは小さくなりますが、コントロール性能に優れるので、打ちやすくなります。
スポンジがある分だけ食い込みがあるでボールを飛ばしやすく、攻撃もしやすいです。
スポンジがあるぶんだけ粒が倒れにくくなるので、自分から粒を倒しにいかなければなりませんが、力の加減がしやすいのです。
スポンジありでも極薄または薄で、中以上を使っている人はあまりいません。
中国の何卓佳選手はスポンジのある粒高を使用して、まるで表ソフトラバーを思わせるような使い方をしています。
- ペン粒選手
-
スポンジがあったほうが粒高でもスマッシュしやすいこともあり、OXよりも極薄のスポンジありのものを使用している人が多いです。
- カットマン
-
スポンジが合ったほうがカットしやすく、相手の回転をそのままに切れたボールを飛ばせます。
スポンジなし
シェーク前陣異質攻守型の場合は、スポンジのないOXを選ぶことが比較的多いです。
スポンジのないほうが相手の球威を利用して粒が倒れやすくなり、相手ボールの威力や回転を殺しまくって相手のミスを誘ったり、緩急差の激しい意表を突くようなコースを狙っていきます。
スポンジがないと変化は大きくなりますが、スポンジありにくらべて技術が必要になります。
マニカ・バトラ選手や福岡春菜選手はOXを使用し、相手のミスを誘ったり、攻撃チャンスを生み出したりしています。
粒の形状
表ソフトラバーの粒は円柱形、台形、粒の根本が台形などバラエティーの富みますが、粒高ラバーの場合は円柱が一般的です。
- 太い粒か、細い粒か
- 長い粒か、短い粒か
粒の形状は、粒の高さと太さを気にします。
太く短いと表に近い感覚となり、打ちやすいですが変化は小さくなります。ナックルボールを出しやすく、異質攻守型の選手に好まれます。
細く長いと変化が大きくなりますが、その分コントロールしづらく技術が必要になります。しかし相手の回転を利用しやすくなるため、カットマンに好まれます。
変化の大きい粒高ラバーの代表格はVICTASのCURL P1V。倪夏蓮選手や、ヤン・シャオシン選手が使用しています。
粒の硬さ
柔らかいと粒が倒れやすくなり、変化の大きい返球ができます。カットマンの多くは柔らかい粒を選んでいることが多いです。
カットマンの小塩遥菜選手は、柔らかく粒の高いカールP1Vを使用しています。
硬いと粒が倒れにくいため変化は小さいですが、弾道の低いナックル系プッシュが打ちやすくなります。
台に張り付いてプレーする前陣異質攻守型は、硬い粒を選ぶ傾向があります。粒を倒しての変化の大きい打法ができるだけでなく、表のように弾いて(そこそこ)スピードのあるナックル系の返球が可能だからです。
異質攻守型の出澤杏佳選手は、硬い粒のカールP5Vを使用しています。
相手ボールの球威と粒の硬さ
硬い粒 | 柔らかい粒 |
---|---|
粒が倒れにくい 強いボールに対し変化が大きい 弾きやすい | 粒が倒れやすい 弱いボールに対し変化が大きい 弾きにくい |
相手ボールの球威により粒の倒れやすさが異なるため、相手の強さによって硬さ(ラケット)を変える人も中にはいるかもしれませんが、一般的に自分の技術レベルによって硬さを選びます。
どんな相手に対しても、とにかく粒を倒して変化を出していくのであれば、柔らかい粒でも問題ありません。
粒を倒したり倒さなかったり、自分で粒の倒れ具合を調整したい人は、硬い粒のほうがやりやすくなります。また、硬い粒のほうが攻撃的な返球もしやすいです。
網目があるかないか
表ソフトラバーは粒の表面に網目のような凸凹があるのが一般的ですが、粒高ラバーの場合はあるものもあればないものもあります。
VICTASのカールシリーズやDr. Neubauerのデスペラードには粒の表面に凸凹の網目がありますが、Butterflyのフェイントにはなくつるつるしています。
網目のある方がボールが引っかかるので、粒を倒しやすいです。
縦目か横目か
表ソフトラバーの場合、一般的に縦目はスピード系、横目は回転系といわれます。
粒が密に並んだ方向に球が転がれば粒は倒れにくくナックルが出やすくなり、粒の粗い方向には粒が倒れやすく変化の大きい返球になるとされているからです。
粒高は表ソフトに比べ、横目か縦目かをそれほど気にすることはありません。なぜなら、粒高ラバーはほとんど横目だからです。
横目
粒が横目に並んだラバーは打球が安定しますので、初心者はまず横目のラバーを選ぶことをおすすめします。
縦目
縦目の粒高は種類が少ないです。
スティーガのバーティカルシリーズぐらいしか知りません。
使ってみたことはありますが、シェーク前陣異質攻守型にとって縦目はボールが安定しませんでした。
ラケットを向きによるのかもしれませんが、カットマンには「安定して打てる」という評価が多いです。
粒の間隔
粒の間隔が広いほど、粒が引っかかりやすく、ボールを掴む感覚があり、打ちやすくなります。
際どいコースを狙うのが大好きな人は、粒間隔が広めをおすすめします。
まとめ:粒高ラバーは結局どれを選べばいいのか
やはり、どのような粒高ラバーを選べば良いのか、使ってみなけりゃわからないというのが正直なところ。
選ぶ異質ラバーが変われば、それに合わせてプレースタイルが微妙に変わります。
- スポンジの有無
- 粒の形状
- 粒の硬さ
- 縦目か横目か
- 粒の間隔
異質ラバー使いはラバーに対するこだわりがある人が多く、上記の指標以外のこだわりポイントで選んでいる人もいるでしょう。
公認審判員としてさまざまな選手のラケットを拝見させていただく機会が多くあります。
両面に裏ソフトラバーを貼るドライブ主戦型の選手は、たいていディグニスやテナジーの割合が極端に高いのです。
しかし異質ラバー使いの異質ラバーに関しては、非常にバラエティーに富んでおり、ある程度の人気傾向はあるものの、裏ソフトラバーのような極端な集中は見られません。
それだけ個性的なプレーをする異質な選手は、それぞれの個性にあった異質ラバーを選んでいるということの現れなのでしょう。
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