異質型とは、ラケットに異質ラバーを貼ってプレーするプレースタイル(戦型ともいう)のことです。
裏ソフトラバー以外の「異質ラバー」を使い、球質の変化で相手のペース崩したり、ミスを誘ったりして戦います。
全プレーヤーの約3割を占め、特に女子選手に多いスタイルです。
裏ソフトラバー以外のラバーを異質ラバーと言い、以下の3種類があります。
- 表ソフトラバー
- 粒高ラバー
- アンチラバー
裏ソフトラバーと粒高ラバーでは、下の写真のように見た目が全く違います(ただし、アンチラバーの見た目は裏ソフトラバーとほぼ同じです)。は、下の写真のように見た目が全く違います(ただし、アンチラバーの見た目は裏ソフトラバーとほぼ同じです)。


同じ異質ラバーでも、表ソフトラバー、粒高ラバー、アンチラバーで性質が大きく異なるため、使用する異質ラバーによってプレースタイルは全く違います。
本記事では、異質型プレーヤーの戦型分類と戦術、そして個性豊かな異質型選手たちを紹介します。
ちなみに、両面裏ソフトを貼って戦う「ドライブ主戦型」は全体の7割を占める王道スタイルです(例:張本智和選手、早田ひな選手、平野美宇選手など)
異質ラバーの基礎知識
異質ラバーとは、裏ソフトラバー以外のラバーの総称です。それぞれ異なる特性を持ち、戦術も変わります。
3種類の異質ラバー比較
異質ラバーの特徴をまとめると、以下の表のようになります。
| ラバー | 特徴 | 球質 | プレースタイル |
|---|---|---|---|
| 表ソフト | 球離れが速い | スピード重視、回転量は少ない | 攻撃型・攻守型 |
| 粒高 | 粒が高く柔らかい | 相手の回転を反転、無回転 | 攻守型・守備型 |
| アンチ | 摩擦力が低い | ほぼ無回転 | 攻守型・守備型 |
ドライブ主戦型との違い
上述した特性を持つラバーを使用することにより、異質型の選手はドライブ型とはプレースタイルに以下のような違いが生まれます。
| ドライブ主戦型 | 異質型 |
|---|---|
| 回転量とスピード量で攻める パワー勝負 | 球質変化と緩急で相手の体勢を崩す 技術で勝負 |
異質型の最大の武器はラバー面の使い分けによる球質変化です。この変化が相手のタイミングを狂わせ、ミスを誘います。
異質型選手のプレースタイル分類
異質型は、裏ソフトラバーと異質ラバーの性質の差を利用して相手のペースを崩すのが基本戦術です。
異質型のプレースタイルも、大きく3つに分けられます。
- 攻撃型:表ラバーを使用し、積極的に攻める
- 攻守型:粒高ラバーを使用し、粘りと攻撃を使い分ける
- 守備型:粒高ラバーを使用し、カットやブロックで粘る
異質攻撃型
異質面を積極的に使用して相手のペースを乱す選手もいれば、異質面はつなぎとしてしか使用していない選手まで、幅広く存在します。
シェーク異質攻撃型
フォア面に裏ソフト、バック面に表ソフトを貼り、ミート打ちやスマッシュを多用する攻撃スタイル。構える位置は前陣から中陣です。
異質攻撃型の代表的選手は伊藤美誠選手。
フォア面表ソフト、バック面に裏ソフトを貼ってスマッシュ主体で戦うスタイルもあり、スウェーデンのファルク選手がこのスタイル。2018年の世界卓球でベスト4入りした時は卓球界に衝撃を与えました。
フォア表でも勝てるんだと、フォア表の男子選手にとって希望の星のように映ったようです。
代表選手
日本式反転ペン(ローター)異質攻撃型または中国式ペン異質攻撃型
裏ソフトまたはスピード系表ソフトをメインに使用し、たまに粒高面で変化をつけるスタイル。レシーブだけ粒高面を使う選手も。構える位置は前陣。
構える位置は主に前陣。
今はもうあまり見かけなくなったスタイルですね。
異質攻守型
粒高面で相手ボールの球威や回転を押さえ込み、変化で相手のミスを誘い(守備)、甘く返ってきた球を裏ソフトまたは表ソフト面で叩く(攻撃)スタイルです。守備型と攻撃型を併せ持つ戦型です。
「嫌らしい」とか「ずるい」プレースタイルとよく言われます(褒め言葉)。
シェーク異質攻守型
フォア面に裏ソフト、バック面に粒高(またはアンチ、変化系表ソフト)で、バック面で粘り、甘い球はフォア面で叩くスタイル。構える位置は前陣。
粒高使いの代表選手
アンチ使いの代表選手
攻撃が主体か、守備が主体か、同じ攻守型でも攻守の割合はさまざまですが、世界で戦う選手たちは攻撃要素が多い印象です。
日本式反転ペン異質攻守型または中国式ペン異質攻守型(いわゆるペン粒)
粒高または変化系表ソフトをメインに使用し、チャンスボールは反転または裏面打法で攻撃します。サーブだけ裏ソフト面という選手もいます。構える位置は前陣。
サーブだけ裏ソフトの場合は、攻守型というより守備型と言ったほうがいいですね。
代表選手
異質守備型(カット型)
守備型の代表は、カット型。
つぶまるシェークハンドラケットを使用するのが一般的ですが、ペン型ラケットのカット型という年輩の方を見たことあります。
シェーク裏表または裏粒カット型
片面に裏ソフト、もう片方に表または粒高、あるいはアンチを貼り、カットを多用して戦うスタイル。
同じカット型でもその戦い方はさまざま。
カットを主とする選手もいれば、フォアはドライブメインで返す選手もいます。構える位置は中陣から後陣です。
代表選手
- 橋本帆乃香選手
- 佐藤瞳選手
- 小林りんご選手
異質型の魅力
異質ラバーを貼っていれば、すべて異質型プレーヤーに分類されます。
一口に異質ラバーと言っても、表ソフトと粒高ラバー、アンチでは性質が全く異なりますし、それを扱う選手たちもラバーの性質に合わせたプレースタイルで戦います。
実際にはかなりグラデーションがあり、攻撃型、攻守型、守備型と明確に分けられるものではありません。
異質型の特徴
カットマンを除く異質型の選手には、以下のような特徴があります
- スマッシュを多用:回転よりもピッチの速さで勝負する
- ブロック・カウンター主体:相手の力を利用する
- 意表を突くプレー:変化と緩急で相手を翻弄
小柄な選手でも勝てる理由
小柄な選手は大柄な選手に比べてパワーで劣りがちです。そこで、球質の変化とピッチの速さで勝負するために異質ラバーを選びます。
現デンソー卓球部のマネージャーである阿部愛莉選手は、小柄だけど、バックの変化とフォアのスマッシュでインハイ・インカレ制覇しました。覇しています。
スマッシュは小柄な選手のほうが打ちやすく、体格に関係なく勝ち筋があるのが卓球の良いところです。
異質型の多様性
伊藤美誠選手のようにガンガン攻撃する選手から、ひたすら粘るだけでほとんど攻撃をしない選手まで、幅広く存在します。
それだけ異質型は奥が深く、プレーする方も観る方も楽しめるスタイルです。
まとめ
異質型は、変化と技術で勝負するプレースタイルです。
表ソフト・粒高・アンチの3種類のラバーがあり、それぞれ性質が異なるため、同じ異質型でもプレースタイルは千差万別。攻撃的な選手から守備的な選手まで幅広く存在します。
異質型の強み
- 体格差を技術でカバーできる
- 球質変化で相手を翻弄できる
- 個性を活かせる戦型が豊富
自分の体格や得意なプレーに合わせて、最適なラバーとスタイルを選べるのが異質型の魅力。









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