普段出場している地方大会では負け審が一般的。
しかし、T-リーグや全日本選手権、国際大会では、きちんとした審判員が審判をしている姿を観たことがある人は多いのではないでしょうか。
このような大会で審判をしている人は、審判員資格を持った人たちです。
卓球の公認審判員には、公認審判員、上級公認審判員、公認レフェリーがあり、さらには国際審判員、国際レフェリーがあります。
審判員は英語「unpire」ですが、レフェリーは「referee」であり、単語が違えば意味も異なり、その役割も大きく違います。
アンパイアとレフェリーの意味の違いについて、下記書籍で述べられています。
本記事では、各審判員資格について簡単に説明し、資格取得のための受験方法について説明します。
各審判員資格について
上の階級に進むためには、実務経験も積まなければ受験資格が得られません。
各審判員たちは、然るべき講習を受け、試験を受け、合格しなければ公認審判員として認められません。
国際審判員についてはよく知らないので、ここでは国内資格のみを紹介します。(いつか国際も取ってやる)
名誉レフェリーを除き、いずれも3年毎に更新手続きが必要です。
公認審判員と上級公認審判員
大会において、審判実務を担当するのが公認審判員と上級公認審判員。
卓球協会会員でありルールに精通し、競技運営と審判実務に関し、正しい判断のもとに迅速で的確な処置を取り得る者とされています。
公認審判員
- 中学卒業以上
- 所定の講習会を修了し、テストの成績が良好であると所属加盟団体長が認めた者
日頃から卓球を楽しみ、負け審等を何度も経験している人なら、たいてい合格できるレベルです。
ルールを良くわかっていない指導者がたびたび審判員と揉めることもあるからか、アドバイザーに入る人も審判員資格が求められるようになりました。
それなのに、ルールを良くわかっていなくて審判員と揉めるアドバイザーがいるんだよね。
上級公認審判員
- 公認審判員の資格を持ち、3年以上の実務経験があり、更新手続きを行っている
- 加盟団体での審判員としての活動実績が顕著であり、他の模範となる審判技術を有すると認められている
- 20歳以上
公認審判員の資格は3年毎に更新手続きを行うため、公認審判員の資格を取得後、少なくとも1回の更新を行っていれば3年の実務経験を有することになります。
審判員としての実績が重要視されているので、受験するためには所属加盟団体による推薦が必要です。
また、上級審判員は国際審判員の資格試験にチャレンジできます。
レフェリー
レフェリーも卓球協会会員でありルールに精通していることは審判員として共通ですが、公正な処置により審判長として運営遂行でき、公認審判員等の指導・育成ができなければなりません。
公認レフェリー
- 加盟団体支部役員としての実績と、大会運営に関する責任者としての経験を積んでいる
- 上級審判員として3年以上の実績があり、更新手続きを行っている
上級審判員と同様に、受験するためには所属団体による推薦が必要です。
大会を開催するに当たり、大会審判長は必須の役員。
名誉レフェリー
- 長年にわたる豊富な審判活動の実務経験があり、人格者である
- 卓球のルールだけでなく、卓球全般に精通し、各都道府県において審判員のリーダーとして目される
- 全国大会や国際大会にて、審判長として顕著な経験を積んでいる
各都道府県からの申請はもちろんのことですが、名誉レフェリーは卓球協会理事会の推薦が必要になります。
審判員や審判長としてだけでなく、卓球人としても優れた人にならないと名誉レフェリーにはなれません。
名誉レフェリーは他の資格と異なり、更新手続きの必要のない永久資格です。
公認審判員の資格を取るためには
公認審判員は、各都道府県の卓球協会が主催する講習会を受講し、試験を受けます。
上級公認審判員および公認レフェリーは、各地域ブロックごとに行われる試験を受けます。
公認審判員の資格取得試験
公認審判員は、各都道府県の卓球協会単位で行われます。
公認審判員を取得するための講習会がいつごろ開催されるのか、受講費用については、各都道府県の卓球協会の公式サイトを確認するか、またはお問い合わせください。
大きな県であれば、県内をさらに地域ブロックに分け、年に数回開催されることもあります。
基本的に、講習を受ければ取れる資格だよ。
公認審判員の資格を取得した時の話
新規取得者は、ルールブックと審判員の手引書を講習会受付時に購入します。
講習会受講者は、卓球部顧問の先生が勉強のために取得する場合もありますが、それ以外は基本的に競技者。いつも大会で対戦している顔見知りが多くいました。
卓球競技者ばかりなので大方のルールはみんな知っていますが、今と昔ではルールが変わっている点、判断が難しいところなどを中心に学びました。
ルールブックではわかりにくいところなど、実例を交えながら説明してくれるので、とてもわかり易かったです。
といった、普段曖昧にやり過ごしがちなポイントをしっかり抑えます。
講習会の後は、筆記テストを受け、基準点に達していれば合格。落ちる人は殆どいません。
恥ずかしながら、私はこの時はじめて、卓球にもイエローカードがあることを知りました。
知っているようで知らないことも多く結構間違えてしまい、合格したとはいえギリギリ。
間違っていたところはルールブックを読み返し、理解しておく必要性をひしひしと感じました。
審判手帳とバッジ
合格すると、各都道府県協会から日本卓球協会に伝えられ、審判手帳とバッジが送られてきます。
上級公認審判員の資格取得試験
上級審判員の試験を受けるためは、所属協会から推薦してもらわなければなりません。
そのためにはまず、審判員活動のお呼びがあれば積極的に参加し、場数をこなして審判技術を磨いていくことが何よりも重要になります。
上級公認審判員試験を受けるときの話
公認審判員として審判活動を積極的に頑張っていると、上の審判員の方々から、
あなた、上級に興味ある?チャレンジしてみない?
とお声がかかるようになりました。
私はこの時を待ってましたとばかりに早速チャレンジ!
上級審判員試験は筆記試験のみですが、『日本卓球ルールブック』や『卓球競技の審判法/審判員の手引』を何度も読み込んで、頭に叩き込んでおかなければなりません。
先輩上級審判員の方々から、上級審判員試験はどのような問題傾向があるのかを聞き出し、ルール解釈についても色々と教えてもらいました。
先達者のアドバイスに従い、ルールブックも審判法もデジタル写経し、いつでもスマホで読める状態にして仕事のスキマ時間に勉強。
そして試験に臨んだ結果、見事に一発合格いたしました。
審判資格の更新に関する注意事項
審判資格は、3年に一度更新講習を受けて更新しなければなりません。
- 1年目
-
新規取得。新規取得料支払い
- 4年目
-
資格更新。更新講習を受け、更新手数料支払い。
これがなかなかの曲者で、毎回更新を受けていれば良いのですが、何らかの事情があって更新できなかったときがあったとします。
- 1年目
-
新規取得。新規取得料支払い。
- 4年目~
-
何らかの事情で資格更新せず。
- 10年目
-
資格を更新しようとした時、過去にさかのぼって更新手数料を支払う必要があるため、3回分の更新手数料を支払わなければならない。
更新をしなかった期間の更新料を支払わなければなりません。
更新をサボっていたら、すんごい取られたんだけど…。
それゆえ更新を一度忘れてしまうと、そのまま永久に更新せずに公認審判員の活動をやめてしまう人は多くいます。
審判員としての抱負など
私は人を裁くという行為がとても苦手なのですが、楽しく卓球をするためにはルールに基づいて正しく裁かなければなりません。かつての私は審判が苦手で、いつも逃げてばかりいました。
今までは卓球のマナーとして不適切なことをしている選手に注意をしたくても、「無資格者が言う権利があるのだろうか?」と言えずにいたこともあります。
これからは有資格者としてバッドマナーには厳しく注意をし、公認審判員としての経験を積んで、高みを目指したいと思います。
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