
卓球の試合には、100円ショップで買ったラケットや、自分で作ったラケットでも参加できるの?



それはできないよ。ボールやラバーと同様、大会で使用できるラケットも卓球協会の規定を満たしている必要があるよ。
ラケットの規定は、わかりやすくまとめると以下のようになります。
ではそれぞれを解説していきます。
J.T.T.A.AまたはI.T.T.F.の刻印があること


ラケットやラバーは、卓球協会の公認を受けたことを示す日本卓球協会のJ.T.T.A.A.、またはInternational Table Tennis FederationのI.T.T.Fの刻印がある必要があります。
I.T.T.F.の刻印がなくてもJ.T.T.A.A.の刻印があれば日本の大会なら使用できますが、国際大会では使用できません。
国際大会に出る選手なんて一握りの話なので、一般的にはJ.T.T.A.A.の刻印だけを気にしてください。
グリップを削って自分の手に合わせる場合、J.T.T.A.A.の刻印だけは絶対に削らないようにしてください。
ラケットの規定


ラケットの大きさ、形状、重量に制限はない



販売されているラケットって、どれも同じような大きさだからてっきり決まっているものだと思ってたんだけど、違うんだ。



でも、ルール的にはラケットの大きさ、形状、重量に制限はなく、自由だよ。
ですから、卓球協会の公認さえ受ければ、ミニラケットを用いていても、特大ラケットを用いていても、何ら問題はありません。
ただし、ラケット本体のブレード面は平坦で硬くなければならないという規定があります。
つまり、ラケットのブレード面がボコボコしていたり、ウレタンのような柔らかいものは使用できないということです。



そもそもラケットがボコボコしていたり柔らかかったりなんてしたら、まともにボールなんて打てませんけどね。
だから、こんなラケットでもちゃんと手続きをすれば、試合に出場することはできます。
大きなラケットならボールが打ちやすいように思えるかもしれませんが、大きなラケットは取り回しがしづらく、思うようにボールが打てません。
小さなラケットはラケットにボールを当てるのが大変ですが、小回りが効いて使いやすそうです。
誰もが扱いやすいラケットの大きさは、結局のところ、現在販売されているラケットの大きさに集約されているのだと思います。
2021年に開催された世界卓球では、スウェーデンのモーレゴード選手が六角形のラケットを使用し、準優勝しました。
優勝した樊振東選手よりも、モーレゴード選手が使用した特徴的な六角形ラケットに注目が集まりました。
確かに、ラケットの形状に規定はないので、六角形でも何ら問題ありません。





こんなラケット見たことない!
厚さの少なくとも85%は天然木
ラケット本体の厚さの少なくとも85%は天然木でなければならないということは、残りの15%までなら特殊素材を使用してもO.K.ということを意味します。
特殊素材も厚さの規定があり、1つの層の厚さが全体の厚さの7.5%または0.35mm以下でなければならないと決まっています。
この規定の範囲内で使用できる特殊素材を、各卓球用品メーカーは日夜研究をしているのです。
打球面の厚さは4.0mm以下
接着剤を含むラバーの厚さが4.0mm以下、一枚ラバーの場合は2.0mm以下と決まっています。



接着剤を厚く塗ったほうがよく飛ぶからと、分厚く塗る人は要注意だよ。
ラバーが2mm以上はみ出したり欠損したりしていない
ラバーをラケットに貼る時は、ラケットの外周いっぱいに、外にはみ出さないように、また、欠損も2mm以上はN.G.です。
小さい地方大会は問題視されませんが、相手に指摘される可能性はあります。
公認審判員がつくような大きな大会では、当然、指摘されます。



このラケットはラバーが2mm以上欠けているから使えません。スペアのラケットを持ってきてください。



どうせ最後の大会だからと、親にラバーを買ってもらえなかったんだけど、これじゃダメなの?私、試合できないの?
その時は団体戦。
選手本人だけでなく、審判員、審判長、顧問の先生との話し合いの結果、友人のラケットを借りて試合をすることに…。
中学最後の大会を愛用の自分のラケットで戦えず、周囲に迷惑をかけてしまったこともあり、泣きそうな表情で試合に出場していた女の子を見たことがあります。
親の考え方もわからなくもないです。
しかし大きな大会に出場するからこそ、スペアのラバーまたはラケットを用意したり、ラバーを新品のものに貼り替えておきましょう。


無光沢の2色(片面は必ず黒)に色分けする
ラバー表面の光沢度にも基準がありますが、市販されているラバーはこの基準を満たしているので、特に気にする必要はありません。
ラケットは片方は必ず黒と決まっており、もう片方は以前は赤と決まっていましたが、他の色でも良くなりました。徐々に赤や黒以外のラバーは発売されるるあります。
ラバーは相手選手や観客から、どの面で打っているのかわかりやすくするために、必ず異なる色で貼り分けることになります。
ペンホルダーは、裏面を赤や黒に塗ります。
ペンホルダー向けに、裏面に貼るシールが販売されています。一枚ラバーを貼っても問題ありません。
物理的・化学的処理をしない
2008年に有機溶剤系の接着剤およびブースターの使用が禁止になりました。
ブースターやスピードグルート呼ばれる補助剤は、現在では禁止にはなっていますが、海外の選手はこっそり使っているのではないかという噂はありますね。
最後に


ラケットにもいろいろとルールがありますが、卓球専門店で販売されているものは基準を満たしているものばかりなので、ラケットやラバーを購入する時は、色以外気にする必要はありません。
大きな大会に出場する時、ラバーの欠けだけには気をつけてください。
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