ヤサカのマークVは、1969年に発売されたラバー。
発売から50年以上もたった今でもなお売れ続けている、ロングセラーラバーです。
そしてマークVは、これから卓球を始める初心者の方におすすめできるラバーの一つ。
中学高校とマークVには大変お世話になりました。そして、20年ぶりに卓球を再開する時も、最初に選んだラバーはマークVでした
ロングセラーラバーであることには理由があります!
マークVは、
- クセが殆どない
- 適度な弾みと回転量
といった特徴があり、初級者から上級者まで、クセがないので誰にとっても使いやすいラバーです。
卓球のいろいろな技術がそつなくこなせるので、
マークVの商品概要
スピード | 10 |
スピン | 10 |
コントロール | 10 |
硬度 | 40~45° |
厚さ | 特厚、厚、中厚、中、薄、極薄 (皮付き):特厚、厚、中厚、中、薄 |
色 | 赤、黒 |
スピード・スピン・コントロールを高いレベルでバランスよく搭載した天然ゴム主体の元祖高弾性高摩擦ラバー。これまで数多くのタイトルを獲得したチャンピオンラバーです。
ヤサカ公式サイト
スピード、スピン、コントロール、どれをとっても「10」となっているのは、ヤサカの基準がこのマークVを基準としているからです。
マークVはスポンジの厚さだけでなく、皮付きという選択肢も用意されています。
スポンジ作製時、プレス機に接着している面はやや固くなり、それを「皮」と表現しています。皮はシート側に向けてあり、打球感はやや固めになります。
皮付きだけでなく、スポンジ厚の選択肢の多さも特徴の一つ
マークVが登場する前、ラバーは天然ゴムで作られていました。
マークVは合成ゴムが用いられたはじめてのラバー。天然ゴムが主体ですが、合成ゴムを混ぜることにより高弾性を実現しています。
マークVを独自指標で評価
メーカー公表値は、メーカー独自の方法で検査したものであるためメーカーごとに基準が異なり、同じ値でもメーカーが異なれば硬さが違うということが多々あります。
メーカー関係なく評価できる方法はなにかないかと考え、実験的に試してみました。
ラバー硬度
マークVの硬度「24」
タイヤのゴム硬度を測るデュロメータ タイプAを使用して、ラバーの硬度を測定してみました。
マークVの硬度は、ここでは24でした。
ゴムの硬度に単位はありません。そのため、硬度を表示する時は必ずどの計測器で測定したのかも表示しなければなりません。
ラバー摩擦力
マークVの摩擦力75g
割れた卓球ボールの半球に重りを50g入れ、動き始める時の力をバネばかりで測定しました。
剛力にマークVを貼っての跳ね返り係数
マークVの跳ね返り係数44.6
ラケットを固定し、1m上からニッタクのスリースター球を落下させ、何cm跳ね返ってきたのかを計測。
10回試行し、ラケット周辺部にあたったものを除き、その平均値を求めました。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
跳ね返りの高さ(cm) | 45 | 45 | 45 | 44 | 44 | 44 | 45 | 45 | 45 | 44 |
剛力ラケット本体の跳ね返り係数は48です(参照:ニッタクの卓球ラケット『剛力』徹底レビュー-異質型選手のために生まれたラケット)。
マークVをさまざまなラケットに貼って打ってみた
いつもクセの強い粘着系ラバーを使っているせいか、久しぶりにマークVを使ったらいろいろと違いすぎて戸惑いました。
打球音がいつもと違うし、飛ばないし。でももともとが扱いやすいラバーなので、すぐに慣れました
さまざまなラケットにマークVの厚を貼り、カルフレックスのピンポンマシンを使って打ってみました
打った条件は下記のとおりです。
- ブロックは「High」だがそれ以外は「Middle」のスピードモード
- すべて上回転
ニッタクの剛力ラケット
- ドライブ
-
回転量は多くありませんが、コントロールしやすく、安定して台におさめることができました。
- スマッシュ
-
弾道はスマッシュらしく、直線的に飛んでいきます。私好みの弾道です。
- ブロック
-
なんですか?この安定感は!楽しくなる。
- サービス
-
粘着ラバーのようなキレはありませんが、もどってくるような下回転や、曲がる横回転サーブを出せます。あて方が甘いと回転も甘くなるので、回転をかける感覚を身につけるには最適なラバーと感じました。
ヤサカのテナシティウッド
ラケット自体がそもそもあまり飛ばないので、しっかり振らないと入りませんが、ひじょうに安定感があります。
振らないと入りませんが、安定して確実に入ってくれるので、卓球をしている感をひじょうに感じることができます。
ティバーの幻守
幻守に貼っても、マークVは驚くほどの安定感があります。
ただ、弾まないラケットなので、ボールに威力はありません。
ニッタクのバイオリン
ラバーよりも、ラケットの性能による違いがよくわかりました。
- ドライブ
-
もともとドライブに定評のあるバイオリンラケットだけに、ドライブはひじょうに安定しますし、マークVでも回転量のあるドライブが打てました。
つぶまる私はそれほどドライブが得意ではないのですが、ドライブが楽しくなりました。
- スマッシュ
-
バイオリンラケット自体がミート打ちをあまり得意としていないだけに、スマッシュは安定しませんでした。
マークVの他の人の評価
グルー時代、マークVはかなりもてはやされたようです。
私にとってグルー時代はブランク中なので、「マークV+グルー」がどれほどのものだったのかは知りません
マークVまとめ
マークVの使用感
- そこそこ弾みがあって
- そこそこ回転がかかって
- コントロールが抜群に良くて
- 安い!
初級者にとってコスパ最高!
評価はすべて私の主観で、私の卓球技術に依存します。ひじょうに扱いやすい、良いラバーです
マークVの全体的評価
ラケット | 剛力 | テナシティウッド | 幻守 | バイオリン |
---|---|---|---|---|
ドライブ | 3 | 4 | 3 | 5 |
スマッシュ | 5 | 5 | 4 | 3 |
ブロック | 5 | 5 | 4.5 | 4 |
サービス | 4 | 3.5 | 4 | 4 |
購入 |
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ラバーとラケットの組合せは、順次増やしていく予定です。
癖のないラバーだけに、ラケット性能の差がよく現れた印象を受けました。
ある意味、ラケットの性能を引き出すラバーと言えるかもしれません。
マークVはこんな人におすすめ
- これから卓球をはじめる人
- 初心に帰りたい人
- オールラウンドプレイヤー
これから卓球をはじめる人
これから卓球をはじめるのに最適なラバーである理由は、
- 適度なはずみと回転
- クセがない
といった特徴がマークVにあるからです。
これから卓球をはじめる人にとって、弾みすぎのラバーは手打ちになってしまいます。ラケットでボールをこすって回転をかける感覚を身につけるためにも最適な適度な摩擦力になっています。
初心に帰りたい人
私が20年ぶりに卓球を再開したとき、初心に帰ってあの頃を思い出すためにマークVを貼りました
いろいろな感覚を思い出すのにも、基本に立ち返るのは悪いことではありません。
オールラウンドプレイヤー
弾みすぎないのでネット際に落とすことも出来ますし、そこそこスピードのある強打も打てます。
いろいろな技術が難なくできるので、初級~中級のオールラウンドプレイヤーに向いているのではないかと思います。
マークVをおすすめできない人
- すでに基本が身についており、中陣や後陣に下がって引き合いをする人
中級者以上の選手にとって、マークVは物足りなさを感じることが多いようです。
しかし、
トップ選手でもマークVを愛用している人がいることからわかるように、必ずしも当てはまるわけではありません。
マークVの種類
昔はマークVは一種類しかありませんでしたが、卓球の進化、ルールの変化、ユーザーのニーズに合わせ、マークVも進化し、いろいろな種類のマークVが販売されています。
自分のレベルとスタイルに合わせ、選んでください。
マークVはXSとHSP、Vステージ以外は、すべて同じトップシートが採用されています。
マークVはスポンジ厚のバリエーションが多く、スポンジの硬さにも様々な種類のものが販売されています。
マークV | マークV AD | マークV 30° | マークV M2 | マークV XS | マークV HPS | マークV HPS ソフト | Vステージ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
硬度 | 40~45° | 35~40° | 30~35° | 45~50° | 40~45° | 40~45° | 35~40° | 43° |
コントロール | 10 | 10+ | 11 | 9 | 10+ | 10 | 10+ | 8 |
スピン | 10 | 10+ | 11 | 10- | 11 | 10 | 10+ | 11+ |
スピード | 10 | 10- | 9 | 11 | 9+ | 12 | 11+ | 12 |
楽天
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マークV AD
スポンジを柔らかくしたことでコントロール性能をアップ。そのぶんスピードは落ちます。
始めたばかりの小学生やレディース選手におすすめです。
マークV 30°
ADよりもさらにスポンジを柔らかくしたことでボールが食い込みやすく、回転を掛けやすくなっています。
スポンジが柔らかいので、パワーのある男子選手が使用すると、パワーロスが大きくなる可能性があります。
マークV M2
スポンジを固くしたことで、スピードを出しやすくしてあります。
マークV XS
微粘着ラバーシートを採用することにより、マークVのあ使いやすさはそのままに、回転性能を向上させています。
粘着ラバーに興味のある人は、初めての粘着ラバーとしてマークV XSを試して見る価値はあるかもしれません。
マークV HPS
シートにハイブリッドパワースポンジ(HPS)を採用し、反発力を高めたマークVです。
マークV HPS ソフト
HPSでスポンジが柔らかいバージョンです。スポンジが柔らかいのでスポンジが食い込みやすく、パワーのない人でも扱いやすいラバーです。
Vステージ
弾性力と摩擦力の強いシートを採用することにより、スピードとスピン性能を向上させたマークVです。弾みと回転がましているぶん、コントロール性能は低くなっています。
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