トリプル エクストラは、VICTASが販売する中国製強粘着裏ソフト。
かつてトリプルスピードやトリプルパワーといったトリプルシリーズが販売されていましたが、廃盤となり、プラスチックボールに合わせて生まれ変わって再登場した新トリプルシリーズです。
私はかつてトリプルシリーズを愛用していました。再登場とあっては、試さないわけにはいきません。
ラバーにはラケットとの相性もあれば戦型との相性もあります。
打った時の打球感や弾道の好みもあります。
本記事では、シェーク裏粒前陣異質攻守型の私が、さまざまな複数のラケットにトリプル エクストラ2.0を貼り、それぞれのラケットで打った感触を評価しました。
トリプル エクストラを使用してみて、
- ドライブがしやすい
- スマッシュがしやすい
- 回転量の多い短いサーブが出しやすい
中級者向けのラバーであると感じました。
審判を担当したことのある県大会で、優勝した中学女子選手が使用していたラバーなので、ラバーとともに印象に残っています。
トリプル エクストラの商品概要
製造国 | 中国 |
ラバー色 | 赤、黒 |
スポンジ厚 | 2.0、MAX |
スポンジ硬度 | 55±3 |
トリプルシリーズの中で比較すると、エクストラは他よりもスピード値が高くなっているのが特徴です。全体的にバランスの良いラバーです。
トリプル エクストラを独自指標で検査
メーカー公表値は、メーカー独自の方法で検査したものであるためメーカーごとに基準が異なり、同じ値でもメーカーが異なれば硬さが違うということが多々あります。
メーカー関係なく評価できる方法はなにかないかと考え、実験的に試してみました。
ラバー硬度
トリプル エクストラの硬度「30」
タイヤのゴム硬度を測るデュロメータ タイプAを使用して、ラバーの硬度を測定してみました。
ゴムの硬度に単位はありません。そのため、硬度を表示する時は必ずどの計測器で測定したのかも表示しなければなりません。
ラバーの摩擦力
ラバーの摩擦力「80」
割れた卓球ボールの半球に重りを50g入れ、動き始める時の力をバネばかりで測定しました。
動き始めた時の秤の表示は、80gでした。
剛力にラバーを貼っての跳ね返り係数
トリプルエクストラの跳ね返り係数「45.5」
ラケットを固定し、1m上からニッタクのスリースター球を落下させ、何cm跳ね返ってきたのかを計測。
10回試行し、ラケット周辺部にあたったものを除き、その平均値を求めました。
試行回数(n) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
跳ね返りの高さ(cm) | 47 | 45 | 45 | 45 | 45 | 45 | 44 | 46 | 46 | 45 |
剛力自体の跳ね返り係数は48です(参照:ニッタクの卓球ラケット『剛力』徹底レビュー-異質型選手のために生まれたラケット)。
トリプル エクストラをさまざまなラケットに貼って打ってみた
さまざまなラケットにトリプル エクストラ 2.0を貼り、カルフレックスのピンポンマシンを使って打ってみました。
打った条件は下記のとおりです。
- ブロックは「High」だがそれ以外は「Middle」のスピードモード
- すべて上回転
ニッタクの剛力ラケット
ニッタクの剛力ラケットにトリプル エクストラを貼り、打ってみました。
トリプルエクストラのスポンジは黒です。トリプルシリーズのスポンジカラーは、ダブルエクストラが青、レギュラーが赤とバラバラなのも特徴です。
- 前陣ドライブ
-
撮影した時は、なんだか不安定なドライブになってしまいましたが、少し慣れただけで安定したドライブが打てるようになりました。ドライブの弾道は直線的です。
つぶまるシュマッシュ主戦型の私は、ドライブ技術に関して若干の苦手意識があります。
- スマッシュ
-
いつも使っていた剛力快速(中:廃盤になりました)に比べると、弾道は若干弧線を描きます。悪くありません。しかしコントロール性能は狂飆プロ3の方がいい感じでした。
- ブロック
-
思ったよりも短く止まり、台の浅いところに落とすことが簡単にできました。
- サービス
-
台上でツーバウンドするような短いサービスが容易に出せます。横回転サーブがよく曲がっていくのがわかりますでしょうか?
下回転も戻ってくるような強い回転をかけることができました。
ティバーの幻守
剛力と並び異質向けラケットとされるティバーの幻守に貼って打ってみました。
- 前陣ドライブ
-
意外とドライブが安定して入ります。
- スマッシュ
-
入る場所はやや深めですが、気持ちよく入ります。
- ブロック
-
守備向けのラケットだけに、ブロックは安定して入ります。
- サービス
-
短いサーブはひじょうに出しやすいです。台上をツーバウンドさせるようなサーブを出すことが容易にできまs。
スティガのオールラウンドエボリューション
スティガのオールラウンドエボリューションに貼って打ってみました。
- 前陣ドライブ
-
安定したドライブを打てました。弾道はかなり直線的です。
- スマッシュ
-
気持ちのいい音とともに、自分の思った通りのコースに打つことができました。
つぶまるこの音はマジで気持ちいい。こういうの好き!
- ブロック
-
剛力に貼った時に比べると、ふわっとした弾道で台の深いところに落ちます。
つぶまる台の深いところを狙うか、浅いところを狙うか、そこは好みが分かれるところかもしれません。
- サービス
-
強い回転のかかったサーブを出すことはできますが、短いコースを狙うことは若干難しいように感じました。
ヤサカ テナシティウッド
- 前陣ドライブ
-
弧は描きませんが、打ちやすくてコントロールしやすいです
- スマッシュ
-
テナシティウッド自体が飛ばないというより落ちるように飛ぶラケットのためか、ひじょうに台におさめやすい。オーバーしてしまうようなことが殆どありません。
ラケットが軽いので、速く振ることができるため、スピードのあるボールになっています
トリプル エクストラのまとめ
評価はすべて私の主観で、私の卓球技術に依存します。ひじょうに扱いやすい、良いラバーですね。
特に難しさを感じることなく、いろいろな技術がそつなくこなせます。
粘着系ですが狂飆ほどのベタベタ感はなく、重さも軽く、飛ばしやすくはあります。
トリプル エクストラはこんな人にオススメ
- 卓球の技術レベルは中級者以上
- 戦型は前陣~中陣あたりであまり下がらない
- ドライブよりスマッシュがメイン
- 粘着ラバーが好き
- 直線的な弾道が好き
特に、剛力に貼った時に簡単に出せる短いサーブは魅力的。
レベル感的には、「県大会レベルの中学生」以上といったところでしょうか。
ラバーが硬めなので、筋力のついた高校生であれば、市内大会レベルでもじゅうぶん使いこなせそうな感じはあります。
テンション系ラバーのようにぶっ飛ばないので、前陣に貼りついて戦う戦型に向いています。
トリプル エクストラをオススメできない人
- パワーのない初級者
- テンション系ラバーが好き
- ぶっ飛ぶラバーが好き
- 弧線を描く弾道が好き
ラバーが硬めなので、強いインパクトを出せない初級者にはおすすめできません。
テンション系ラバーと粘着系ラバーでは、ドライブ系技術の打ち方が異なりますので、テンション系ラバーが好みの人にはおすすめしません。
ただし、テンション系の人でも粘着系ラバーの打ち方を練習してマスターしてしまえば、その限りではありません。
粘着系らしく、ぶっ飛んでいかないラバーなので、後ろに下がってロビングで戦うようなスタイルの人には合いません。
上級者にとって、おそらくパワーとスピードに物足りなさを感じてしまうラバーだと思いますが、アラフィフおばさんには丁度いい感じでした。
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