卓球の団体戦は、個人戦とは異なる魅力があります。
テレビやライブ配信等で観戦していると、
この団体戦のルールってどうなっているの?
と疑問に思うことはありませんか?
卓球の団体戦は、大会によって規定が異なることがあります。身近な例を上げれば、
- 中学生の団体戦は6人で行い、2シングルス1ダブルス2シングルス
- 高校生の団体戦は4~6人で行い、2シングルス1ダブルス2シングルス
となっています。
これがオリンピックの団体戦となると、3人で1ダブルス4シングルスを戦います。
本記事では、オリンピックにおける卓球団体戦のルールをわかりやすく解説し、試合をさらに楽しむための観戦ポイントを紹介します。
実際に戦っているのはコートに立つ選手だけかもしれませんが、ベンチにいる監督やコーチ、他の選手達も団体戦では重要な役割を担っています。
オリンピックならではの特別ルールや、過去の名試合なども紹介し、卓球団体戦の奥深さを知っていただけたらと思っています。
オリンピックの試合観戦を通して、選手たちの熱い戦いと感動の瞬間を一緒に体感しましょう。
オリンピックの卓球団体戦とは?
オリンピックの団体戦は1チーム3人の選手で編成され、個人戦とは異なる戦略やチームワークが求められます。
個人戦では選手一人ひとりの技術やメンタルが重要ですが、団体戦では一人ひとりの技術やメンタルはもちろんのこと、チーム全体の戦略とチームワークが鍵になります。
団体戦の基本概要
「ABC-XYZ方式」と呼ばれるものが採用されており、自チームがABCになるかXYZになるか、コイントスで決められます。
ABCまたはXYZにそれぞれどの選手を当てるかにより、組み合わせが決まり、対戦カードは以下のようになります。
ABCチーム | XYZチーム | |
---|---|---|
第1試合:ダブルス | B選手・C選手ペア | Y選手・Z選手ペア |
第2試合:シングルス | A選手 | X選手 |
第3試合:シングルス | C選手 | Z選手 |
第4試合:シングルス | A選手 | Y選手 |
第5試合:シングルス | B選手 | X選手 |
一般的に、エース選手をシングルス2点起用することが多いです。ABCであればA選手、XYZであればX選手にエースを当てます。
卓球の場合、戦型の相性もあるので、相手チームの戦型を鑑みてオーダーを決めます。必ずしもエースをシングルス2点起用するとは限りません。
試合の流れと勝利条件
試合は上述した順番の
- ダブルス
- シングルス
- シングルス
- シングルス
- シングルス
で行われ、先に3試合勝利したチームが勝ちです。
どちらかのチームが3勝を挙げた時点で終了となり、残りの試合は行われません。
団体戦の注目ポイント:オーダー
団体戦に出場するメンバーは
- どのように選手を組合せ
- どのような順番で出場させるのか
が一つの注目ポイント。
オーダーの組み方は試合の流れを左右する重要な要素です。下記のような状態を鑑みて、オーダーを決定します。
- 選手一人ひとりのコンディション
- 相手チームの弱点
- 心理的プレッシャー
監督が独断で決める場合もあれば、選手と相談しながら決めることもあります。
各試合のオーダー例
例えば、ABCチームがオーダーを組む際には、以下のような戦略が考えられます。
第1試合:ダブルス
第1試合はチーム全体の雰囲気を決定づけることが多いため、最もコンビネーションの良いペアを選出。チームの士気を高めます。
相手が格下だからといって、気を抜くと負けてチーム士気が下がってしまうことがあります。
最初の試合でチームの雰囲気が変わるため、第1試合から見ものです。炙るすということもあって、勝敗はダブルス2選手のメンタルに影響し、2選手のシングルスの結果に影響を与えてしまうこともあります。
第2試合:シングルス
第1試合で勝っていれば、その流れを崩さないように、勢いのある選手を配置。
どちらのチームもシングルス2点使用のエースが配置されることが多いため、エース対決になりがち。
第3試合:シングルス
勝負を決定づけるため、信頼性の高い選手を投入。
ダブルスに出場した選手同士のシングルス対決になり、ダブルスでお互いの戦い方をどこまで理解し、弱点を攻めることができるかということが鍵になります。
ダブルスで負けていたとしても引きずらず、シングルスにいかに挑めるかが見ものです。
ダブルスで勝っているのであれば、強気の姿勢でそのまま勝利に結びつけやすい試合とも言えます。
ダブルスでの勝敗が影響しやすい戦いともいえます。
第4試合:シングルス
ABCチームでAにエース選手を当てていれば、第4試合はエース選手。
第1、第2、第3試合のどれか1つを落としている場合、ここで勝利を決めたいもの。
第5試合:シングルス
実力が拮抗しているチーム同士の場合、第5試合にまでもつれ込みます。
チーム全体に対するプレッシャーが選手にのしかかるため、プレッシャーく勝利へのこだわりが強い選手を配置します。
相手のXYZチームはXにエース選手を当てていることが多いため、たとえ格上相手でも怯まずに果敢に挑戦する姿勢が重要です。
オリンピック代表選手ともなれば、どんな相手でも向かっていくメンタル強強な選手ばかりとは思います。オリンピックには特有の魔物が住んでいるため、最後までわかりませんね。
団体戦の観戦を楽しむ
オリンピックの卓球団体戦を観戦する際には、ルールや戦略を理解するだけでなく、いくつかの観戦ポイントを押さえることにより、より一層楽しめます。
注目すべき選手や試合の見どころ
オリンピックでは世界中からその国のトップクラスの選手たちが集まります。
卓球の場合、相手の戦型との相性もあるので、必ずしもランキングどおりに勝敗が決まるとは限りません。
世界卓球2024女子団体戦で、中国を相手に2ポイントをとったインドチームを個人的に注目しています。
インドの異質軍団がどのような戦い方をするのか、同じ異質型として応援しています。
日本チームはもちろん応援しますが、自分と同じプレースタイルの選手は応援したくなっちゃいます。
チームの応援方法をチェック!
卓球の団体戦とはいえ、コートに立って戦うのはその試合の選手のみ。
しかし、
- メンバーが戦っている選手にどのように声援を送り
- ゲーム間やタイムアウト時に誰がアドバイスをしているのか
も観てみるといいでしょう。
チーム一体となってベンチにいる監督やコーチだけでなく、選手たちがアドバイスをしていることもあれば、監督やコーチのみがアドバイスをしていることもあります。
ベンチにいる監督やコーチ、選手たちの表情にも注目してみましょう。
世界卓球では、日本チームの一体感が話題になっていました。
ベンチに座っていても、コートに立っている選手と一緒に戦っています。
まとめ:団体戦をより楽しむために
オリンピック卓球団体戦は、個人戦とは異なる魅力と戦略が詰まった競技。
基本ルールや戦術、観戦のポイントを押さえることで、試合をより一層楽しめます。
団体戦の魅力
3人の選手だけでなく、監督とも一体になって勝利を目指します。
シングルスとダブルス、誰と誰を組合せ、どのような順番で出場させるのか、監督やコーチの判断も大きな鍵を握ります。
観戦時の楽しみ方
団体戦を観戦する際は、以下のポイントに着目してみてください。
- 選手の技術とメンタル
選手個々人の技術や動きはもちろんのこと、追い込まれた状況でのメンタルの変化、戦術など注目してみてください。 - チームの応援と雰囲気
チームメンバーの応援やコミュニケーションにも注目してみてください。試合の緊張感や一体感を感じることができます。
特にチームで勝ちに行こうとする姿勢は、配信で試合を観ているうちに「自分たちも一緒に戦っている」という気持ちにさせてくれます。
卓球は個人のスポーツとはいえ、団体戦は選手たちの絆やチームワークを感じさせます。
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