試合中にうっかりボールを蹴ってしまったことはありませんか?
卓球の試合中にボールを誤って蹴ってしまうことは、アマチュアの試合に限らずプロの試合まで、誰にでも起こり得るハプニング。
ボールを拾おうとして、うっかり蹴ってしまうことはよくあります。
ほとんどの場合は問題にはなりませんが、故意に行うと、バッドマナーとしてペナルティが課される可能性があります。
このようなハプニングに対して、審判と選手はどのように対応すべきでしょうか?
本記事では、このような状況における審判と選手の正しい対応方法を解説します。
ボールを誤って蹴ってしまうケースとは
大きな大会では現在マルチボール制が採用されているため、選手がボールを拾いに行かなければならないようなことはなくなりました。
世界卓球などの大きな大会で、ボールボーイ・ガールがボールを拾いに行っている姿を見たことがあるのではないでしょうか。
しかしほとんどの中小大会ではボールボーイ・ガールはつかず、選手たち自らが拾いに行っています。
ボールを拾いに行く過程で、うっかりボールを蹴ってしまうことは、誰だってあることです。
基本ルールでは、故意でなくとも、ボールを足で触れることは規則に反するとされる場合がありますので、できるだけ触れないようにしましょう。
ボールをうっかり蹴ってしまう状況とは
ボールを誤って蹴ってしまう状況は、
- 緊張や焦り
- 注意力の欠如
など様々な要因によって引き起こされます。
ボールを拾いに行くのだけれど、
- ボールが床の状況や回転の影響で予想外の動きをした
- 緊張し過ぎで思いの外足が大きく出てしまった
- 他のことに気を取られてボールの位置を見失ってしまった
など、足を出したらボールがあたって蹴ったと思われてしまうようなことが起こり得ます。
多くの場合は故意ではないことはすぐに分かるので、問題になりませんし、ペナルティになることもありません。
過去の事例
ボールを蹴ってしまった事例として有名なのは、2012年ジャパンオープン荻村杯シングルス第1回戦の石川佳純選手対リャウ・ジャー選手の第6ゲーム。
ゲームは11-10とディースにもつれ込んだ試合で起こったハプニング。
誰がどう見ても飛んできたボールに偶然当たってしまっただけにしか見えませんが、主審は故意と判断し、レッドカードを差し出しています。
基本的に主審の判断が採用されますが、この時は審判長判断により、判定が覆った珍しい事例です。
2.2.3.6 個人戦での抗議は、問題が生じた場面に参加していた競技者のみが行うことができる。団体戦での抗議は、問題が生じたマッチに参加していたチームの監督のみが行うことができる。
日本卓球ルール2022
この場合、当事者である石川佳純選手および対戦相手に抗議権があります。
主審が誤りを認めてすぐに正せばよかったのかもしれませんが、観客からのブーイングなどに審判長も気づき、審判長が様子を見に来る事態になっています。
審判長が石川佳純選手と主審の両方から話を聞き、故意ではないと認められた珍しい事例です。
意図的にボールを蹴った場合
意図的にボールを蹴る行為は、見る者を不快にさせます。
問題は、イライラをボールを蹴るという行為にぶつけてしまうような場合です。
このようなことをする選手は、明らかにイライラして怒っていますが、中には相手選手を挑発するために演技として行っている者もいるようです。
トップ選手なら、演技かどうか見ればわかるから、そんな挑発には乗らないさ。
演技であろうとなかろうと、ボールを故意に蹴る行為はバッドマナーであり、イエローカードの対象になります。
過去の事例
ボールを実際に蹴っているのかはどうかわかりませんが、張本智和選手の相手選手のレベンコ選手は、張本選手のネットインに対し、イライラしてボールを蹴るような仕草をしています。27:21のあたりです。
実際にボールを蹴っていればイエローカードの対象になりますが、主審はイエローカードを提示していないので、実際には仕草だけで蹴っていないと思われます。
実際には蹴っていなくても、良い行動ではありません。
ボールを蹴ってしまったときはどうすれば良いのか
ボールを蹴ってしまうことはよくあることです。
- 審判は
-
選手がボールを蹴ってしまった時、審判はそれが故意であるかどうかをまず判断しなければなりません。
故意でなければスルーしますし、故意であればイエローカードを提示し、選手にその理由を説明しなければなりません。
- 選手は
-
イエローカードを提示されてしまった場合、素直に認めるか、故意でなければ審判に抗議する権利があります。
抗議が認められうかどうかは、その時の状況にもよりますので、必ずしも通るとは限りません。
基本的に主審の判断が優先されますが、審判が誤審を認めれば覆ることもあります。
審判だって人間です。気をつけていても、誤審することがあります。
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