
卓球の試合をTVやネットで見ていると、審判がかっこよくカウントを取っているシーンがあるけど、あれにはやはり決まりがあるの?



もちろん、適当に点数を言っているわけではなく、他のスポーツと同様、卓球にも点数の数え方というものがあるよ。
多くの人は、周りを見て、ただなんとなく審判をやっていることが多いような気がします。
私もそうでした。
審判資格を取るための講習を受けるまで、点数の正しい数え方なんて、誰からも教わっておらず、間違ってやっていた部分も多くあったことに気付かされました。
ここでは、審判をやる上で基本となる
- 点数の数え方
- カウンターの使い方
について解説したいと思います。



カウンターの使い方にも約束事があるんだ。
卓球の点数の数え方


点数の数え方は、英語になります。
中学で部活動を始めたばかりの子にとっては、ちょっと気恥ずかしいかもしれません。11や12なんて舌を噛みそうになって、言いづらいかもしれません。
かつての私もそうでした。
よく「セット」と言ってしまいがちですが、正しくは「ゲーム」と言います。
試合の流れ
マッチ開始
マッチを開始するときは、選手名をコールします。
【選手名】versus【選手名】
versusはヴァーサスです。
地方の小さな大会でも、公認審判員の資格を持っている人が審判をするときは、ちゃんと選手名コールをしてくれます。
正しい審判法なんて教えてもらっていない中高生選手が審判をする場合、選手名コールをしている子を見たことはありません。(そんなことを教えられている中学生なんていないよな…。)
ゲーム開始
First game.【選手名】to serve. Love all.(ファースト・ゲイム。【選手名】トゥ サーヴ。ラヴ・オール)
第1ゲームであることをコールし、サーブを出す選手をコールします。
それからラヴ・オールといって、試合を開始します。
でも、大方の地方大会レベルでは、



ラブオール。おねがいしま~す!
で始めてしまうのがほとんどではないでしょうか。地方大会レベルなら、全く問題ないと思います。
そしてこれが第2ゲームであればSecond game(セカンド・ゲイム)となり、第3ゲームであればThierd game(サード・ゲイム)になります。
最終ゲームはFinel game(ファイナル・ゲイム)です。
ゲーム終了
ゲームが終わると、
11-5 game to【勝利した選手名】
イレヴン・ファイヴ・ゲイム・トゥ【勝利した選手名】
地方大会では、ゲームが終わると、



11対5で【勝利した選手名】の勝ちです。ありがとうございました。
と言っている場合がほとんどですが、正しくありません。
正しくなくても問題ないですけどね。
マッチ終了
マッチが終了したときは、点数と同時に勝利した選手名をコールします。
11-5 Game and match to 【勝利した選手名】
イレヴン・ファイヴ・ゲイム・アンド・マッチ【勝利した選手名】
これも、地方大会になると



11-5、3-2で【勝利した選手名】の勝ちです。ありがとうございました。
になりがちですね。
点数の数え方
点数は、サービスを出す側からコールします。
そして、テニスと同様に「0」はLove(ラヴ)と読みます。
5-2で、サービスを出す側が5点だった場合、ファイヴ・トゥーになりますし、サービス側が2点だった場合、トゥー・ファイヴになります。
○○ game. 【選手名】to serve. Love all.
ラヴ・オールでゲームを開始します。
Love one(ラヴ・ワン)
サーバーは0点であり0はラヴと読み、サーバー側から読むので、ラブ・ワンとなります。
サービスを出す側が交代し、サービス側から読むのでツー・ラヴとなります。
10-10のとき
10-10のときは「デュース」ではなく「Ten all.(テン・オール)」です。
でも、デュースの方が馴染みがあることもあり、



テンオール、デュース
と、両方言っている人をよく見かけます。
そして10-10の後はサーブは1本交代になるので、毎回先に言う方が変わるので注意しましょう。



「どっちだっけ?」って、たまにわからなくなることがあります。
21点から11点制になったときのこと
卓球は、かつて21点制でした。
2001年9月に「21点制」から「11点制」に変わりました。
私が中高と卓球部に所属していたときは、21点制でした。
再び卓球を再開するようになったとき、11点制に変わっていました。
それは、審判をする時、私をひじょうに悩ませました。
だって、21点制のときは



ツー・スリー、チェンジサービス、スリー・ツー
という言い方をしていたんですよ。
11点制になったときも同じように言わなければいけないのかな?なんて…。
そうなると、ほぼ毎回のように「2-3チェンジサービス3-2」みたいに言わなければいけなくなるのって、ものすごく面倒くさいではないですか!
言わなくて良いことを知ったのは、卓球を再開して3年ぐらい経ったときのこと…。
誰も教えてくれなかった…。グスン。
カウンターの使い方


点数を間違えないようにするために、カウンターにも使い方というものがあります。
多くの地方大会では敗者審判になることが多いので、誰もが経験することでしょう。
三角形に立てたカウンターは、両腕を中に入れて、見える高さに持ちます。
点数板のめくり方
点数は、手前から奥ではなく、必ず奥から手前にめくります。
つまり、選手側から、外側から内側へめくります。


選手が入場してきた時
試合前練習時の状態です。
カウンターはすべてめくりません。
ゲームカウントのみを「0-0」にし、ポイント数はめくらず「0」にもしません。


ラブオール時
主審が「ラブオール」とコールしてはじめてポイント数を「0」にします。


1ゲーム目終了時
ゲーム終了時、次のゲームが始まるまでカウンターの数字は変更せずにそのままにしておきます。
ゲームカウントをすぐに変更したり、ポイント数をすぐに0にしてはいけません。



この間に、主審やそれぞれのチームが点数を記録します。


2ゲーム目開始直前
選手がコートに戻ってきた時、ゲームカウントを変更し、ポイントを無表示にします。



どのゲームも、主審のラブオールのコールがあってから、ポイントを「0」にします。
ときどき気を利かせて、ゲーム終了後カウントをすべて「0」にしてコートにカウンターを置いていく選手がいますが、その必要はありません!すべて無表示にして、コートに置いておいてください。



ちょっとややこしくて、混乱しそう…。うまくできるかしら?



地方大会なら、そこまで気にしなくて良いよ。
チェンジエンドのとき
試合がもつれてフルゲームにまでもつれ込んだとき、最後のゲームはどちらかが5点をとった時点でチェンジエンドをします。
この時、カウンターの数字を変更するのが面倒くさくてひっくり返したくなりますが、絶対にやめてください。
どちらからどちらにめくっていたのか、マジでわからなくなります。



中学生の時、練習試合だったとは言え、面倒くさくてカウンターをひっくり返したら、途中でめくる方向を間違えて点数がカオスになり、先輩にガッツリ叱られました。
チェンジエンドでカウンターの数字を変更するときは、必ず負けている方の数字を変えてから、もう一方の数字を5に変える。
先に負けていた方の数字を5に変えてから、5になっていた数字を変えようとすると、何点だったのか忘れてしまってトラブルの元になるので、必ず低い方の数字を変えてからにすること。
勝っている方の5点は変わりませんからね。
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