ニッタクから販売されている狂飈(キョウヒョウ)シリーズは、
粘着ラバーといえば狂飈
と言われるぐらいの存在。
そして狂飈シリーズはシートとスポンジの組み合わせでさまざまな種類がありますが、ここでは狂飈プロ3について取り上げます。
狂飈プロ3といっても、どのスポンジを使用するかによってターボオレンジやターボブルーの商品がありますが、ここでは無印の狂飈プロ3についてレビューします。
狂飈Pro3は、
- シートへのボールの引っ掛かりがよい
- 硬いので基本的に弾まない
といった特徴を持つラバー。狂飈シリーズの中では、比較的初級者~中級者にとって扱いやすい粘着ラバーです。
紅双喜 狂飈PRO3(キョウヒョウプロ3)の商品概要
粘着ラバーですが、あまりベタつきは感じません。
スピード | 10.25 |
スピン | 15.00 |
硬度 | 42.5 |
厚さ | 中厚、厚、特厚 |
色 | 赤、黒 |
原産国 | 中国 |
ノーマルのキョウヒョウ3よりも硬度が5度高く、ノーマルよりも上級者向けとなっています。
回転+スピードタイプのシートを採用。
威力のある回転とスピードボールを繰り出します。キョウヒョウⅢのプロ仕様バージョン、高いスピン・スピード性能を発揮します。
ニッタク公式サイトより
キョウヒョウプロ3を独自指標で評価
メーカー公表値は、メーカー独自の方法で検査したものであるためメーカーごとに基準が異なり、同じ値でもメーカーが異なれば硬さが違うということが多々あります。
メーカー関係なく評価できる方法はなにかないかと考え、実験的に試してみました。
ラバー硬度
狂飈プロ3の硬度「30」
タイヤのゴム硬度を測るデュロメータ タイプAを使用して、ラバーの硬度を測定してみました。
ゴムの硬度に単位はありません。そのため、硬度を表示する時は必ずどの計測器で測定したのかも表示しなければなりません。
狂飈プロ3の摩擦力
狂飈プロ3の摩擦力75
割れた卓球ボールの半球に重りを50g入れ、動き始める時の力をバネばかりで測定しました。
動き始めたときの秤の表示は75gでした。
狂飈プロ3の跳ね返り係数
狂飈プロ3の跳ね返り係数「29.2」
ラケットを固定し、1m上からニッタクのスリースター球を落下させ、何cm跳ね返ってきたのかを計測。
10回試行し、ラケット周辺部にあたったものを除き、その平均値を求めました。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
跳ね返りの高さ(cm) | 29 | 29 | 29 | 28 | 29 | 29 | 30 | 31 | 28 | 30 |
全然飛ばない。もうちょっとカメラの位置を下げるべきだったか。
剛力自体の跳ね返り係数は48です(参照:ニッタクの卓球ラケット『剛力』徹底レビュー-異質型選手のために生まれたラケット)。
狂飈プロ3をいろいろなラケットに貼って打ってみた
さまざまなラケットに狂飈プロ3の厚を貼り、カルフレックスのピンポンマシンを使って打ってみました。
打った条件は下記のとおりです。
- ブロックは「High」だがそれ以外は「Middle」のスピードモード
- すべて上回転
打ったときの響き音は低く鈍い音。
ニッタクの剛力ラケット
- ドライブ
-
低い軌道で飛びます。打ったボールがドライブ回転のために上方向に弾き飛ばされ、ボール受けのネットに収まってくれません。
つぶまるスピードはありませんが、回転はしっかりかかっています
粘着ラバーなので擦る打ち方をします。テンション系の打ち方をしてしまうと、棒球になりやすいので注意!
- スマッシュ
-
ぶっ飛び系ラバーではないのでスピードはありません。打ちやすいです。
つぶまる私好みの直線的な弾道
- ブロック
-
重たいラケットに重たいラバーの組み合わせであるため、ボールの威力に押される感があまりなく、コントロールしやすいです。
- サービス
-
戻ってくるような下回転や曲がる横回転は苦もなく出せますが、トリプルシリーズよりは回転はかかりません。弾みが低いので、思い切って回転をかけにいけます。
TIBHERの幻守
- スマッシュ
-
飛ばないラケットということもあり、スピードや威力はあまりありませんが、飛ばないがゆえにコントロールはしやすく、弾道は直線的。
- ブロック
-
ブロックは、なぜか若干浮き気味でした。
Juicのテナム
- サービス
-
ラケットに弾みがあるせいでしょうか。サービスは若干浮き気味に出てしまいます。
剛力や幻守に比べて弾道は弧線を描くのは、ラケットの性能の違いによるものだと思います。
飛ばなくて重いラバーですが、軽くてコントロールしやすいラケットとの組合せにより、狂飈も比較的扱いやすくなっています。
威力はないですが、軽いラケットはスイングスピードが出せるため、球速は速くなっています。
狂飈Pro3の寿命について
狂飈シリーズの寿命は、長いという人もいれば短い問人もいます。
私は、狂飈の寿命は短いと感じました
という意見もありますが、シートがへたる前にスポンジがへたります。シートは粘着シートで保護できますが、スポンジは保護できません。
少しヘタったぐらいがちょうど良く、ボールが良く食い込んでドライブに回転がよく掛かるという人もいます。
しかし、
狂飆プロ3のまとめ
狂飈Pro3の使用感
- あまり弾まないのでスピードは遅い
- 回転がよくかかる
- コントロールもまあまあしやすい
- 台上処理がし易い
評価はすべて私の主観で、私の卓球技術に依存します。狂飈らしい癖はありますが、狂飈の中では扱いやすい良いラバーですね。
狂飈Pro3の全体的評価
ラバーとラケットの組合せは、順次増やしていく予定です。
狂飈Pro3はこんな人におすすめ
- 回転を求める人
- 前陣に張り付いて台上プレーを多用する人
回転を求める人
ただし、粘着系ラバーですので、粘着系特有の擦る打ち方ができないと棒球になってしまい、相手にチャンスボールを与えることになってしまいます。
ドライブの軌道は低いですし、回転がよくかかるので沈みます。カットもよく切れます。
前陣に張り付いて台上プレーを多用する人
あまり飛ばないので、後陣から打つのはかなり困難です。
一方、前陣に張り付いてのフリックやツッツキなどの台上プレーはひじょうにやりやすいです。
ドライブなどの回転系技術の評価が高い狂飈Pro3ですが、スマッシュも意外と打ちやすくコントロールがしやすいこともあって、狙ったコースに決めれます。
ラバーが硬いのでスマッシュが打ちやすく切れたサーブが出しやすいですね。台上処理もしやすいので、前陣異質型に適したラバーと言えます。
異質面との球質の差がエグい!
狂飈Pro3をおすすめできない人
- 中陣~後陣での打ち合いが好きな人(ただしカットマンを除く)
- 力の弱い人
飛ばないので、中陣~後陣に下がってプレーする人は返球に苦しむのではないでしょうか。
ラバーが硬いので、力の弱い人は飛ばすのは難しいです。
少なくとも私にはやや硬すぎると感じました。
スピードがほしい方には伊藤美誠選手が使用しているオレンジターボをおすすめします
破壊力はほしい方にはブルースポンジをおすすめします
コメント