なんとなく無意識に出しているかもしれない卓球のサービス(略してサーブ)ですが、サーブの出し方にもルールがあります。

ちゃんとルールに則ってサーブを出さないと、思わぬところでフォルトを取られて失点することになるよ。
本記事では、審判員目線で正しいサーブの出し方について解説します。
ルールブックの解釈の仕方が難しいところもあります。審判員も一人の人間ですので、審判員によって微妙に判断基準が異なることもあります。その点はご了承ください。
サーブを出す時に抑えておきたい基本的なポイント8つ


- 自分のコートにバウンドさせてから、相手コートにバウンドさせる
- 手のひらを開いてボールをのせる
- 静止してから打つ
- トスはまっすぐ16cm以上
- ボールが落下する途中を打つ
- 相手にボールが見えるようにする
- 構える位置は台より上で、エンドラインよりも後ろ
- トスをあげたボールをキャッチしない



守らなきゃいけない約束事って、こんなにあるの?!



でもみんなあまり気にせずに、体で覚えちゃうものだよ。でもやはり正しく出せていないと注意されるからね。
サーブの正しい出し方を学び、楽しく卓球の試合をしましょう!
自分のコートにバウンドさせてから、相手コートにバウンドさせる
卓球をしている人なら自明のことなので、今さら言うまでもないことですが、サーブの場合、ボールは自分のコートに一度バウンドさせてから相手コートにバウンドさせます。


ダブルスの場合
シングルスの場合、どこにバウンドさせても構わないのですが、ダブルスの場合は注意が必要です。
まず、自分のコートの右側半面にバウンドさせ、対角線上の相手コート半面にバウンドさせなければなりません。


センターラインを超えてしまうと、相手の得点になってしまいます。
センターラインギリギリの際どいところに落ちたボールは、判定が難しく、審判泣かせです。



審判員の立ち位置からアウトかインか判断が難しいときがあります。
手のひらを開いてボールをのせる
ボールを指先で掴んではいけません。
必ず手のひらを開いて、手のひらの真ん中に乗せましょう。



TVでタレントさんがボールを指先で掴んでサーブを打つのを見ると、違和感しか覚えません。
静止してから打つ
構えは必ず静止します。
動きながら出してはいけません。
「動きながら打っている」「静止時間が短い」と注意されたことがある人は、構えたとき、ボールに息を吹きかけることを試してみましょう。
息を吹きかけるという行為が入ることで、サーブを打つ時に静止時間が2~3秒入ります。この方法がうまく行ったのなら、ルーチン化させてみましょう。
トスはまっすぐ16cm以上
トスはまっすぐ上に、16cm以上あげます。手のひらからボールが離れた位置から16cm以上です。構えている位置から16cmいじょうではありません。



トスが16cm以上になったのは、私が高校生の時代。
そしてトスを上げる時、回転を与えてはいけません。
出す時は卓球台高さよりも上から出します。高くトスをあげようとして、台より低い位置に手が下がってしまったらフォルトです。
16cmという高さはわかりにくいかもしれませんが、ネットの高さ15.25cmを参考にすると良いと言われています。
投げ上げサーブで高くあげたトスが天井にあたった場合、相手の得点となってしまいます。そのようなことはないと思いますが、天井が低い会場の場合、注意しましょう。
トスをまっすぐ上げることはひじょうに難しく、たいてい斜めになります。
斜め具合がひどいと、審判に注意されます。
体の遠くから体のすぐ近くになるようにひどく斜めにトスを上げる人がいます。故意に斜めに上げるのは、N.G.です。すぐにやめましょう。
正しいサービストスについて、下記記事で詳しく解説しています。


構える位置は台より上で、エンドラインよりも後ろ
サーブの構えは、ボールの位置が必ず台より上で、エンドラインよりも後ろになるようにしなければなりません。
卓球台のエンドラインに親指を当てているということは、必ずボールは台より上、エンドラインよりも後方になります。
小さな小学生や幼稚園児が、バンビ台ではなく普通の高さの卓球台で打つと、卓球のサーブというよりもテニスのサーブのような感じになっていることがあります。
ボールが落下する途中を打つ
ボールが頂点に達する前、上昇中に打ってはいけません。
必ず、頂点を過ぎて落下する途中を打つようにします。
上昇中に打つサーブを「ぶっつけサーブ」と言いますが、これは違反サーブです。
相手にボールが見えるようにする
ボールが手のひらから離れたら、すぐにフリーアームとフリーハンドを、ボールとネットとの間の空間の外に出さなければならない。
日本卓球ルールブック
ルールブックにはすぐには理解できないようなわかりにくい表現がされていますが、要は「ボールを手で隠すな」ということです。
サーブを出す瞬間、ボールを打つ瞬間を相手選手に見えるようにしなさいということです。
トスをあげたボールをキャッチしない
一度トスしたボールをキャッチすると、相手の得点になってしまいます。
一度トスを上げたのなら、何が何でもとりあえず打ちましょう。
人が通りかかったときも、とりあえず打って審判判断を待ったほうが得策です。



私は一度やらかしたことがあります。
だめなサービスの出し方の例


上の写真は、だめなサービスの出し方というか、だめなサービスの構えというか……。どこをどう突っ込んで良いのやら。ツッコミどころ満載なフリー画像です。
ここまで読んだあなたなら、この写真のどこがいけないのか、もうおわかりですよね。
- 指でボールを掴んでいる
- ラケットハンドもフリーハンドも、エンドラインより内側
ボールは開いた手のひらの上でなくてはいけませんし、ラケットを持つ手もボールを持つても台のエンドラインよりも後方に下がっていなければいけません。
特例措置
身体障害者の場合、サーブのルールは緩和されます。
世界卓球やオリンピックなどで、片手がない選手がラケットを持っている手にボールをのせてトスをあげたり、肘の少し先から手がない選手が肘にボールをのせてトスを上げる姿を見かけます。
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