卓球の試合を見ていて、
なんであのタイミングでタオルで汗を拭いてるの?
と思ったことはありませんか?
卓球では、タオルで汗を拭いて良いタイミングが決まっています。
昔は自分の好きなタイミングで汗を拭いても良かったのですが、テンポ良く試合を展開させるため、タイルで汗を拭いてもいいタイミングが制限されるようになりました。
本記事では、
- 汗を拭いてもよいタイミング
- タオルタイムが規定されている理由
- 戦術に活かすタオルタイム
について説明します。
卓球のタオルタイムとは?試合中に汗を拭けるタイミング
卓球の試合中に選手がタオルで汗を拭くタイミングが決められていることをご存知でしょうか?
これは試合のスムーズな進行と公平性を保つために、卓球の公式ルールに基づいて運用されています。
2.4.4.1.2 各ゲームの開始から6ポイントごと、およびマッチの勝敗を決定する最終ゲームにおけるエンドの交換時にタオルを使用するための短い休憩
日本卓球ルールブック2022
と書かれています。つまり、
- 1ゲームの中でスコアの合計が6の倍数(例:6-0、5-1、4-2など)に達するごと
- 最終ゲームでどちらかが5ポイントを取り、エンド(コート)を交換する時
に、一時的にプレーを中断してタオルで汗を拭くことが許されます。
これがいわゆるタオルタイムです。
これ以外にも、試合中の休憩や中断時もタオルを使用できます。
- ゲームとゲーム間の1分以内の休憩
- タイムアウトの間
タイムアウトのとき、コーチや監督のアドバイスを受けながらタオルで汗を拭いている選手の姿をよく見かけるね。
このルールが存在する理由は、選手が汗で滑ったり、不快感を抱えたままプレーを続けることを防ぐためです。
また、無制限に汗を拭く時間を取ることを許すと、試合のリズムが乱れたり、試合運営に支障をきたす可能性があるため、汗を拭くタイミングは厳密に規定されています。
タオルタイム以外で汗を拭きたい時
タオルタイム以外で汗を拭きたいときって、選手たちはどう対処しているの?
タオルタイム以外の時間帯は、タオルを使用して汗を拭くことは原則として許可されていません。
ただし、試合をスムーズに進行させるために、選手はユニフォームや自身の手を使って、必要に応じて汗を拭き取ることができます。
トップ選手の試合映像を見ていて、気づいている人、不思議に思っている人はいるのではないでしょうか。
- ユニフォームでラケットを拭いている
- ユニフォームの袖口で汗を拭いている
- ラケットと手に息を吹き付けている
- 卓球台のネット際のところを手で拭っている
本当はタオルで汗を拭きたいのだけれど拭けないから、いろいろな方法で拭いているんです。
選手が時々ネット際の台に手をこすりつける行為を目にすることがありますが、これは手のひらの汗を拭き取るためです。
ネット際の台上で汗を拭う理由は、ボールが台の中央部分に当たりにくいため、テーブルに汗がついてもプレーにはあまり影響しないと考えられるためです。
汗が原因で失点した場合はどうなるの?
ボールやラケットが汗で濡れたことが原因でリターンがうまくできなかった時、下記の規定に該当する条件と審判が判断した場合、レットになることがあります。
1.9.1.3 競技者の制御し難い原因によって競技条件が乱され、サービスまたはリターンを行うことができなかったり、あるいは基本ルールに従うことができなかったりした場合
日本卓球ルール 2022
レットは両選手ともに集中力の中断の原因になるから、できれば避けたい状況だよね
プレーが中断しないように、何らかの方法で汗は拭きましょう。
スムーズな試合展開のために制限されたタオルタイム
卓球のタオルタイムには、試合進行を円滑に保つための重要な役割があります。
しかし、その一方でタオルタイムが制限されている理由について詳しく知る機会はあまり多くありません。
ここでは、その背景を解説します。
タオルタイム導入の経緯
昔は今のようにタオル休憩のタイミングが決まっておらず、選手は思い思いの時間にタオルで汗を拭いていました。
しかし一部選手の中に、汗を拭く本来の目的ではなく、試合時間を戦略的に引き延ばそうとする者が現れました。
- 相手を焦らしてメンタルで優位に立つために
- 促進ルールにもつれ込むことを狙って
このようなことがあまりに頻繁に起こると、見ている方はつまらないですし、試合の印象もだらけたものになってよくありません。
タオルタイムが導入されたのは21点制のときです。
そのときはサービス交代時、つまり5ポイント毎にタオルタイムがありました。
21点制から11点制になったとき、6ポイントごとになりました。
5ポイントに近いところで4ポイントでタオルタイムになった可能性があるかもしれませんが、4ポイントではおそらく試合展開はだらけた印象になっていたかもしれません。
タオルタイムは短時間で
いつまでもタオルで顔を拭いて良いものではありません。
卓球はスピーディーな展開が魅力の競技。特にラリーの攻防が続く場面では、選手だけでなく観客や審判も高い集中力を維持しなければなりません。
過度な中断が入ると、その集中が途切れ、試合の盛り上がりを損ねてしまう恐れがあります。
ルールブックには、タオル休憩の時間は記載されていませんが、慣習としてタオルタイムは短時間でお願いします。
タオルタイムは汗を拭くための時間で、休憩時間ではありません。長いタオルタイムは試合進行を妨げる遅延行為として、イエローカードの対象です。
公認審判員がつくような大会なら、すぐにイエローカードが出されます。
公認審判員がつかない大会でも、相手にそのような行為をされてしまった場合、相手選手は文句を言う権利はあります。
タオルタイムは切り替えタイム
卓球におけるタオルタイムは、単に汗を拭くだけの時間ではありません。
選手にとって、この短い時間は試合の流れを冷静に見直し、気持ちを切り替えるための貴重なチャンスでもあります。
トッププレーヤーのプレー動画を見るとき、タオルタイム中の選手の表情にも注目!
汗を拭きながら険しい表情で、次の試合展開をどうしようか、この戦術で良かったんだろうかって考えている感じね。体は動いていなくても、頭はフル回転しているのが伝わってくるね。
タオルタイムのときは直前のハイライト映像が流されてしまってカットされることが多いけど、トッププレーヤーがタオルタイムをどのように活用しているか、観察してみるのも面白いよ。
気持ちをリセットする
卓球の試合は、一瞬の判断ミスが勝敗を左右する非常に繊細なスポーツ。
タオルタイムは、特に連続失点や接戦が続く場面で、選手が一度立ち止まり、自分のプレーを見直す機会として活用できます。
この短い間に、選手たちは汗を拭きながら
- 深呼吸をして焦りを抑え、気持ちを落ち着ける
- 戦術を整理する
ことをするなど、次のラリーに向けて気持ちを切り替えて臨む準備を整えています。
タオルの使い方にも現れる選手の個性
トップ選手を見てみると
- 顔の汗はもちろん、ラケットのグリップも拭く選手
- 卓球台の上も拭く選手
- 他にも汗をかいている場所はあるのに、顔の一部しか拭かない選手
- 拭く順序がいつも同じ、ルーティーン化している選手
など、タオルの使い方にもいろいろな特徴があります。
市内大会レベルではあまり感じないかもしれませんが、よくよく観察してみると、意外と個性があるものです。
タオルを用意してあるのに、どんなに汗をかいていても使わない人とか(それは私か…)
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