トッププレーヤー達の試合を見ていると、ラケットに息を吹きかけて手で拭いたり、ボールに息を吹きかけたりする姿を見たことがある人は多いのではないでしょうか。
なんで息を吹きかけているんだろう?
かくいう私も、よく吹きかけています。
あの行動には意味があるのでしょうか。
卓球をやっている人ならば自然な行為ですが、やったことのない人には不思議な行動に見えるでしょう。
ラケットやボールに息を吹きかけているのは、以下のような理由があります。
- ラバーやボールに付いた汗やホコリを除去している
- ラバーを温めている
本記事では、卓球選手たちがラケットやボールに息を吹きかける理由を解説します。
ラバーやボールに付いた汗や埃をとっている
これが一番大きな理由です。
卓球をやっている人ならご存知だとは思います。
ラバーに汗やホコリがついていると、ボールがラバーに引っかからずに滑ってしまい、ボールが落ちてしまいます。
練習中なら、ラバークリーナーを使用して汚れを取ることができますが、試合中はできません。
ラバーが汚れていると、勝てる試合も勝てなくなってしまいます。
ラバーに付いた埃を手っ取り早く除去するために、息を吹きかけて手やユニフォームで拭いています。
今の公認球はそんな事ありませんが、かつては
ということがありました。白い粉がラバーについて真っ白に。
誰だったか…、ボールに付いている白い粉を取るために、ボールを口に含んだ選手がいたな…。
口に含んでしまうのは、いろいろな意味で、汚くて嫌だ!
手の汗や脂がついてしまう心配はないのか
もちろん、手やユニフォームでラバーを拭うことによって、脂が付いてしまいます。
脂がついてしまうことよりも、埃が付いてしまったことによる影響のほうがはるかに大きいので、やむを得ず手で拭います。
息を吹きかけて、呼気に含まれる水分で軽くラバーを濡らし、拭います。
そのまま手で拭うのではなく、予め息を吹きかけることによって多少なりとも脂がついてしまうことを防いでいるのです。
私の中学生時代、下級生は屋外の卓球台で練習をしていたから、ラバーに砂埃がついてしまって……、何度も息を吹きかけては体操服で砂埃を除去していたな。
拭うことによってボールの引っかかりや回転のかかり方が全くの別物になり、いかに汚れて滑るようになってしまっていたのか分かります。
使用後、ラバーはちゃんとお手入れしてからしまいましょう。
ラバーを温めている
ラバーは、温度変化にも敏感です。
これはラバーに使用されているゴムの性質にもよるので、すべてのラバーがそうであるとは言えませんが、一般的に
ラバーは冷えると硬くなり、引っ掛かりが悪くなります。
息を吹きかけるだけなので一瞬の気休めにしかなりませんが、温めることによってラバーが少し柔らかくなり、打球感が良くなります。
試合中は使用できませんが、ラバーを温める道具が販売されています。
精神統一
サーブを出すときのルーティン行動として、ボール息を吹きかける行為をしている選手がいる可能性は否定しません。
卓球は一瞬のスキやミスで勝敗が決るスポーツ。
実力伯仲の選手同士、ピリピリと張り詰めた状態で、次の一手を考える時、精神を落ち着かせて集中力を極限まで上げるための一手段として、ボールに対して深呼吸しているのかもしれません。
市民大会レベルではやっている人を殆ど見たことないけれど、トップ選手ほどボールに向かって息を吹きかける人が多いのは、心理的側面が大きいのではないかと思います。
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