サーブのトスを、なんとなく上げている人は多いと思います。
今まで何も言われてこなかったから、いつも通り良かれと思って投げ上げたボールのはずだったのに……。公認審判員がついた試合でそのサービストスがルール違反だったらしく、
フォルト!
なんて取られてしまうことが、ままあります。
いきなりフォルトを取るのではなく、1回目は「レット」を取って注意し、その場で軽く練習をさせ、2回目で「フォルト」取ることが多いです。フォルト1回で相手に1ポイント、2回で相手に2ポイント入ります。しかし明らかに故意の悪質なトスだった場合は、即フォルトになることもあります。
今まで出していたサービストスが違反だっただなんて、注意を受けたら急に自分のサーブがうまく出せなくなっちゃった。
審判から注意を受けると今まで通りサーブが出せなくなるばかりでなく、試合に対する集中力もメンタルも崩れてしまうもの。日頃から正しいサービストスを心がけ、違反サーブを出さないようにしましょう
>>正しいサーブの出し方全般について、こちらでざっくりと解説しています
本記事では、正しいサーブの出し方の中でも正しいサービストスの上げ方について、詳しく解説します。
卓球の正しいサービストスを上げるために
正しいサービストスとは、下記の通り。
- 手のひらの上にボールを置く
- 卓球台より上、且つ、エンドラインより後方
- ボールを手のひらから離れた位置から16cm以上あげる
- まっすぐ上にあげる
「そんなこと分かっているよ」と思うかもしれませんが、意外とできていない選手が多いです。
正しいサービストスを投げれない方を見ていると、だいたい次のような理由ではないかと考えています。
- 正しいサービスの出し方を教えてくれる人が周りにいない
- 練習では許されることでも試合ではやっていはいけないことを知らない
ここで正しいサービストスの知識を身につけ、試合でフォルトを取られないようにしましょう。
ボールを投げ上げる高さと角度について
男子高校生がやってしまいがちな違反トスは、斜めに上げてしまうこと。
自分の体から遠く離れた位置で構え、自分の建っている位置に向かって斜めに投げ上げ、サーブのインパクトをする場所は体のすぐ近く。
明らかに意図的に斜めに投げ上げています。
かつてはボールを投げた場所からインパクトの場所までの距離の長さで違反かどうか判断されていました。現在は投げ上げたときの角度で違反かどうか判断されています。
角度の許容範囲は審判員によって異なりますが、少なくとも45°以上の角度で投げ上げてください。
サービストスはサーブを打ちたい位置を狙って投げ上げると思います。
サービストスを出す位置と、サーブを打ちたい位置が離れているのなら、できるだけ高くボールを投げ上げたほうが角度を稼げます。
審判はサービストスの角度を見ています。
高く上げることで、
- ボールを手のひらを離れた位置から16cm以上あげる
- まっすぐ上にあげる
の2つがクリアできます。
構えた位置から上に投げ上げよう
これもフォルトを取られがちなサービストス。
正しくサービストスを上げるために、台に指をおいて構えるところまでは良いのですが、そこからボールを投げるとき「手が台から下がってしまう」というのがあります。
ボールを高く投げ上げようとするあまり、手を下げてしまっているのです。
注意した直後は直るのですが、しばらくするとまた癖が出てしまい、手が台より下に下がってしまっていることがあります。
試合に集中して熱中するあまり、サービストスを注意されたことを忘れて、ついつい悪い癖が出てしまうのでしょう。
こんなところでフォルトを取られて、相手に点を与えたくないよね。
サーブを出すとき台に指や腕を引っ掛けるのには理由がある
トッププレーヤーたちがサーブを出すとき、ボールをのせた手の親指や腕(ただし、手のひらはのせない)を卓球台のエンドライン上に引っ掛けているのを見たことがありませんか?
あれは、
サーブを打つとき、卓球台の上かつエンドラインより後方にボールがあることを確実にするため
に行っている所作です。
指を引っ掛けていれば、投げるとき引っ掛けた指が邪魔になって台より下にボールが下がってしまうことを防げます。腕の部分を台の上にのせた状態から打てば、台から下にボールが下がってしまうことを防げます。
トップ選手たちはちょっとした工夫で、ついうっかり違反トスになってしまうことを防いでいます。
サービストスに関するルール
本記事では、以下のサービストスに関するルールの一部(太字)を解説しました。
1.6.2
次にサーバーは、ボールに回転を与えることなく、ボールがフリーハンドの手のひらから離れた後、打球される前になにものにも触れずに落下するように、16cm以上ボールをほぼ垂直に投げ上げなければならない。1.6.4
サービスが開始されてから、ボールが打たれるまでの間、ボールは常にプレーイングサーフェイスよりも高い位置で、かつサーバー側のエンドラインの後方になければならない。またその間、サーバーまたはダブルスのパートナーの体の一部または着用しているもので、ボールをレシーバーから隠してはならない。
『日本卓球ルールブック』より
審判は、選手たちに公平に試合を行ってもらうために、ルール違反は注意をしなければなりませんし、場合によっては相手に点を与えなければなりません。
フォルトを取られたらメンタル崩れちゃって、そのまま試合にも負けちゃった
こんな事にならないように、常日頃からサーブ練習をするときに、サービストスも意識して正しく上げられるようにしましょう。
コメント
コメント一覧 (2件)
知りたいのは、手のひらを台の上にのせてボールを静止させてから、手を動かし始めてボールを上げますが、動かしてボールが離れた後でも手は上昇しボールの方向へついていきます。
その際、手を上げきった位置とボールの間には16センチ以下の距離になってしまう事が多く、それがフォルトになってしまうケースがあります。ボールが静止した高さから明らかに16センチ以上上がっているのにそういうのはダメなのでしょうか。教えて下さい。
ボールが静止した高さから16cm以上ではなく、ボールがフリーハンドを離れてから16cm以上です。
また、手が一緒についていってしまった場合、手の位置によってはボールを手で隠したとされることがあります。