卓球団体戦完全ガイド:ルール・戦略・観戦ポイントを徹底解説!

卓球の団体戦は、見る方もやる方も、個人戦とは異なる魅力に溢れています。

TVや動画配信などで観戦をしていると

この団体戦のルールはどうなっているの?

と疑問に思うことはありませんか?

卓球の団体戦は大会によって異なります。

本記事では、一般的な団体戦のルールを解説すると同時に、団体戦の楽しみ方について紹介します。

この記事を書いた人

卓球が趣味のアラフィフおばさん
上級公認審判員
とある地方卓球協会の役員

目次

ルールブックに記載されている団体戦方式

日本卓球ルールブックには、団体戦形式に関する記載がありますので、まずはそれを紹介します。

  1. 5試合方式(5シングルス)
    1. 1チームは3名の競技者からなる
      • 競技の順序は
        • A対X
        • B対Y
        • C対Z
        • A対Y
        • B対X
  2. 5試合方式(4シングルス1ダブルス)
    1. 1チームは3名の競技者からなり、それぞれの競技者は最大2回まで対戦する
      • 競技の順序は
        • A対X
        • B対Y
        • C対Z
        • ダブルス
        • A対Y
        • C対X
        • B対Z
    2. 1チームは、2、3あるいは4名の競技者からなる
      • 競技の順序は
        • A対X
        • B対Y
        • ダブルス
        • A対Y
        • B対X
  3. 7試合方式(6シングルス1ダブルス)
    1. 1チームは、3、4あるいは5名の競技者からなる。
      • 競技の順序は
        • A対X
        • B対Y
        • C対Z
        • ダブルス
        • A対Y
        • C対X
        • B対Z
  4. 9試合方式(9シングルス)
    1. 1チームは、3名の競技者からなる。
      • 競技の順序は
        • A対X
        • B対Y
        • C対Z
        • B対X
        • A対Z
        • C対Y
        • B対Z
        • C対X
        • A対Y
つぶまる

①は世界選手権で採用されている方式。②-②の試合方式が一般的。③と④の試合形式はルールブックではじめて存在を知りました。

オリンピックの団体戦は特殊で3人編成で最初にダブルスを行います。以下のページで詳しく書いています。

T-リーグの団体戦ルールも、また特殊です。

一般的な団体戦形式

団体戦の形式は大会要項に明記しなければならないことになっており、大会によって異なります。

中学生の団体戦:6人編成(4シングルス1ダブルス)

中学生の団体戦は、できるだけ多くの選手が試合に出場できるようにという配慮なのでしょう。

1人が出場できるのは1回。2シングルス1ダブルスなので、最低でも選手が6人必要です。

  1. シングルス
  2. シングルス
  3. ダブルス
  4. シングルス
  5. シングルス

の順番で戦います。

観戦ポイント

1番手や2番手にエースが配置されることが多いです。

しかし相手チームとのエース対決を避け、ダブルスで取る自信がある場合、4番手や5番手にエースが配置されることがあります。

つぶまる

私の中学卓球部時代、卓球部自体の規模は大きかったけれど、私の学年だけなぜかギリギリ6人。後輩が入ったところで、居づらそうだったな。

高校生・一般の団体戦:4~6人編成(4シングルス1ダブルス)

中学生の団体戦と同じ順番で戦います。

中学生の大会と違い、高校生の大会は1人の選手がシングルスとダブルスの両方に出場できるため、人数によるオーダーは以下のようになります。

4人編成例5人編成例6人編成例
シングルスAAA
シングルスCBB
ダブルスABACCD
シングルスDDE
シングルスBEF

勝つために、部内ランキング上位2名をシングルスとダブルスの両方に出場させ、3位と4位の選手はシングルスのみに出場させる4人編成のパターンが多いです。

エース格2人をシングルスとダブルスの両方に出場させることができるからと言って、2人を前半のシングルス両方、あるいは後半のシングルスの両方に配置させることはできません。

ダブルスのペアをシングルスにも出場させる場合、必ず前半と後半に分けなければいけません。

明らかな実力差がある対決の場合、部内ランキング5位や6位の選手をオーダーして出場機会を与えることはありますが、競ることが予想される対決の場合、上位4人のオーダーが一般的。

つぶまる

高校団体戦の審判員をすると、シングルスとダブルスの両方に出場するエース格2人の体力消耗が激しいのが伝わってきます。

観戦ポイント

実力拮抗したチーム同士の対決の場合、部内ランク3位、4位の選手が勝敗のカギを握ることがあります。

セットカウント2-2で5番目の選手でチームの勝敗が決まるようなとき、5番目の選手はたいていフルゲームの試合になっています。

監督やコーチ、チームメートはもちろん、観客席からは保護者が声援を送る中、勝負はどちらがプレッシャーに強いかのメンタル勝負。最終ゲームは2-8からの大逆転なんていうのはよくあることです。

人数に欠員があるときのオーダー

クラブの構成メンバーが団体戦に出場できる人数ギリギリだった場合、試合当日体調不良などで出場できなくなってしまう事態が発生することがあります。

この場合、チーム全体が棄権になることはなく、欠員がある状態での出場が認められることがあります。

ただし、棄権した選手は1番手とされ、1番手は不戦敗が確定します。

つまり、◯◯チームが1人足りない状態の時、オーダーは以下のようになります。

◯◯チーム△△チーム
1番:シングルス棄権:不戦敗Z
2番:シングルスAX
3番:ダブルスBCYZ
4番:シングルスBY
5番:シングルスCX

1人足りなくても試合させてもらえるのは嬉しいですが、かなり不利な状態になります。

つぶまる

メンバーの1人が協会未登録選手で棄権扱いになり、1番手固定の不戦敗が決まった状態で、試合をやったことあります。

未登録でも、せっかく来てくれたのだからと試合をさせてもらえたけれど、負け確定の試合なので、モチベは地に落ちていましたね。

団体戦を行うときの流れ

団体戦を行うときは、以下のような流れで行います。

STEP
両チームがコートに整列

試合を開始する時、出場する選手と監督、コーチがコートに並びます。

複数台進行で団体戦を行う場合、本部席に一番近い台に整列します。

監督やコーチは両端に、選手は前、控えの選手は後方に並びます。

STEP
オーダーの読み上げ

両チームの監督からオーダー表が提出され、審判員またはどちらかのチームの代表者(たいていはどちらかの監督)が、両チームのオーダーを読み上げます。

審判員

今から〇〇対△△の試合をします。〇〇に続いて△△の選手の名を読み上げます。1番シングルA、W、2番シングルB、X、3番ダブルスCD、YZ、……。

呼ばれた選手は手を上げ、対戦する選手の顔と名前を確認します。

STEP
コートにつく

各選手、指定されたコートにつきます。

コートに付いた時、必ず相手選手の名前を確認してください。

つぶまる

時々台を間違えて、違う選手と対戦しようとしているときがあるから、必ず確認してね。審判員は服装チェックで名前も確認しているよ。

STEP
試合をする

オーダーの対戦表に従って、試合をします。

3ゲーム制なら2試合を、5試合制なら3試合を、どちらかのチームが取った時点で団体戦は終了します。

3番手で勝敗が決まってしまえば、試合中だった4番手、5番手は途中終了になります。

予選リーグであれば、出場機会を増やすために最後の5番目(5試合制の場合)までゲームすることはありますが、決勝トーナメントは勝敗が決した時点で試合終了です。

複数台進行の場合、4番手、5番手が先に終わってスコア的に勝敗が決まってしまうこともありますが、1番手や2番手、3番手の勝敗が決まっていなければ、それらの試合は続行されます。

複数台進行では、各台のゲームの進行状況を監視するコート主任が置かれることがあります。

つぶまる

ただの消化試合になってしまうこともあるけれど、それでも選手たちは手を抜かずに真剣に戦っています。

STEP
試合終了:両チームがコートに整列

チームの勝敗が決したら、試合開始前と同様にコートに整列し挨拶します。

審判員

只今の試合、3-1で〇〇の勝ちです。礼!

団体戦ルールと見どころのまとめ

  • 団体戦形式は大会によって異なる
  • 戦型の得手不得手、エース対決をするのかしないのか、オーダーに注目
  • チームの勝敗が決まった時点で、4番手や5番手の試合は途中終了したり、行われないことがある
  • 複数台進行の場合、4番手や5番手が先に試合を終わって勝敗が決定していても、1~3番手は最後まで試合をする
  • 1人欠員があっても試合できるが、欠員分は1番で不戦敗確定
つぶまる

団体戦は対戦する選手を間違えていないか、審判員はもちろんのこと、選手同士も必ず確認してね。

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