東京オリンピック2020の混合ダブルスでは、水谷隼・伊東美誠ペアが金メダルを取り、混合ダブルスの面白さが注目されました。
卓球のことをよく知らない人でも、卓球のダブルスはテニスやバドミントンのダブルスとは違う動きをしていることに、気づいた人も多いのではないでしょうか?
卓球はペアが交互に打っているためか、より動きが激しく感じるね
ダブルスの機会は意外と多く、団体戦にはたいていダブルスが含まれていますし、ダブルスだけの大会も多く開催されています。
卓球をしている人なら、ダブルスの試合に出場したり審判をしたりしなければならないことも多いはず。
ダブルスをやるのは楽しいんだけど、ルールがいまいち良くわからないんだよね。プレーするのも審判をするのも不安なの。
ダブルスのルールは基本的にシングルスと同じですが、シングルスとは違ったルールが存在することも事実。
本記事では、
- ダブルスをしたいのだけれど、ルールをいまいち分かっていない人
- ダブルスの審判をすることに不安を感じている人
に、
ダブルスのルールはこれだけおさえておけば大丈夫
というポイント2つ、
- 打つ順番とサーブの順番
- サーブを打つ場所
について解説します。
ダブルスの打つ順番
団体戦は4シングルス1ダブルスで開催されることが多く、ダブルスの勝敗がチームの勝敗を決めると言っても過言ではないくらい重要なダブルス。
テニスやバドミントンのダブルスとは違い、卓球はペアが交互に打ちます。
同じ人が何度も打ち返すということはしません。
同じ人が2回続けて打ってしまった場合は失点になってしまうので注意!
打った後、次のボールをペアの人が打ちやすいように、すぐにどかなければなりません。避けきれなくて、しゃがんで避けるなど、必死に逃げます。
いや~っ!避けきれんじゃないの~っ!!年寄りいじめないで~!!
ダブルスにおいては、サーバーが最初にサービスを行い、次にレシーバーがリターンを行う。次にサーバーのパートナーがリターンを行い、その次にレシーバーのパートナーがリターンを行う。その後は各競技者がこの順序によって交互にリターンを行うものとする。
日本卓球卓球ルールブックより抜粋
打つ順番はサーブの順番?
ダブルスの打つ順番は、誰が先にサーバーになったのか、レシーバーになったのかによって、順番が決まります。
試合開始前のトスでサーバーになったペアは、誰が最初にサーブを出すのかを決めます。
同様に、レシーバー側のペアも、誰が最初にレシーブするのかを決めます。
サーブは2本ごとに交代するのは、シングルスと同じです。
2本出したら、今度はレシーブをしていた人がサーバーになります。サーブを出していた人は後ろに下がり、ペアを組んでいた人が今度はレシーブをします。
レシーブをしていた人がサーバーになり、サーブを出していた人が後ろに下る。
これだけ覚えておけば大丈夫です。
ゲームが変わった時のよくある勘違い
ゲームが変わった時、サーバーとレシーバーが交代します。1ゲーム目でレシーブを出していた側がサーブを出しますが、ペアのどちらがサーブを出しても構いません。
- 1ゲーム目にレシーブをしていた人が、2ゲーム目にサーブを出します。
- 誰がサーブを出すかはサーバー側が選べます。サーブを出す人に合わせて、レシーバー側が選手を合わせます。
2ゲーム目で「サーブを出す人が違う!」と、時々クレームを言う人がいますが、ルール上、ペアのどちらがサーブを出しても良いことになっています。
クレームを言ってくる人が部活の顧問の先生のことがあり、審判員がルールを説明することがあります。
サーブを出す人に合わせ、レシーバー側は1ゲーム目にその人のサーブを受けていなかった人がレシーブを受けます。
公認審判員はゲームごとにサーブを出した人とレシーブをした人が誰なのか、忘れないようにスコア表にチェックしています。
順番を間違えた場合
- プレー中に気がついた場合、レット(ノーカウント)
- すでに何本か点数が入ってしまった時に気がついた場合、点数は有効
- サービスを打った人は、サービス交替で後ろに下がる
- レシーバーが次にサーバーをする
- ゲームが交替した時、サーバーとレシーバーの組合せが同じにならないように注意する
この3つを押さえておけば、順番に迷うことはないよ
ダブルスのサーブのルール
シングルスとダブルスの違いは、サーブにもあります。
大きな違いは、サーブを出す場所が限られているということです。
サーブを出す場所
ダブルスの場合、サーブを出す場所は決まっています。
ダブルス競技では、そのボールが最初にサーバーのライトハーフコート(Right Half Coat:コートの右半分)に触れ、続いてレシーバーのライトハーフコートに触れなければならない。
日本卓球ルールブック
ダブルスの審判になった時、出されたサーブがセンターラインを超えてしまっているかどうか判断しなければなりません。
判断が難しくなるように、選手がわざとセンターラインキワキワを狙って出すこともあります。
センターライン上はセーフなのですが、少しでもずれてしまうとロングサイド(Wrong Side)となり、フォールトで相手側に得点が入ります。
横から見ている審判にとって分かりづらく、判断に迷うことが多い審判泣かせの場所です。
サーバー側は入ったといい、レシーバー側は出たといい。最終的には主審の判断になります。
相手方のコートには正しく入れることは意識されるのですが、最初のバウンドが自陣の間違った場所に入ることを意識されていない方が多く、揉める原因になることがあります。
相手コート側は問題なかったのに、自コート側で誤った場所でバウンドしていたためロングサイドとなり、相手のポイントになってしまうことは良くあります。自コート側は本当に意識されていないので、フォールトを取ると
へ?なんで?今のアウトなの?
とキョトンとした顔をされます。説明するとわかってはくれますが……。
卓球強豪校の選手でも、ダブルスの正しいサービスをわかっていなかった……。
忘れがちな、自領のライトハーフコート。気をつけましょう。
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