最近の中国選手は大柄な選手が増えていますが、中国歴代最強の卓球選手と評価される鄧亜萍選手は、身長149cmの小柄な選手でした。
1991年から1998年まで、7年以上も世界ランキング1位を維持していたというのは、偉業です。
1997年に24歳の若さで現役を引退しています。
もし引退していなかったら……、考えるだに恐ろしい
本記事では、鄧亜萍選手の実績とプレースタイルを紹介します。
主な実績
おちゃめな鄧亜萍さん
戦績があまりにも素晴らしすぎるので、優勝したものだけをピックアップします。
開催年 | 大会名 | 種目 | 成績 |
---|---|---|---|
1989 | 世界卓球選手権・ドルトムント | 女子ダブルス | 優勝 |
1991 | 世界卓球選手権・千葉 | 女子シングルス | 優勝 |
1992 | バルセロナオリンピック | 女子シングルス | 優勝 |
1992 | バルセロナオリンピック | 女子ダブルス | 優勝 |
1995 | 世界卓球選手権・天津 | 女子シングルス | 優勝 |
1995 | 世界卓球選手権・天津 | 女子ダブルス | 優勝 |
1996 | アトランタオリンピック | 女子シングルス | 優勝 |
1996 | アトランタオリンピック | 女子ダブルス | 優勝 |
1996 | ワールドカップ・香港 | 女子シングルス | 優勝 |
1996 | ワールドツアーグランドファイナル・天津 | 女子シングルス | 優勝 |
1996 | ワールドツアーグランドファイナル・天津 | 女子シングルス | 優勝 |
1997 | 世界卓球選手権・マンチェスター | 女子シングルス | 優勝 |
1997 | 世界卓球選手権・マンチェスター | 女子ダブルス | 優勝 |
出る大会出る大会、ことごとく金メダルを獲得しているように見える!
鄧亜萍のプレースタイル
当時のルールは今とは違い、シングルスは5ゲーム21点マッチ。ユニフォームも時代を感じさせます。
現代卓球とはやや違っているかもしれませんが、見習うべきポイントは多くあります。
ピッチの早いフォアハンド
台に張り付いて、ひじょうに早い打点で返球しています。
しかも、ミスが少ない。
こんなに気持ちよく連続スマッシュを決めるなんて、なかなかできるものではありません。バシバシ闇雲に打っているのではなく、相手を振り回すコースにきちんと打っています。
細かくて素早いフットワークが正確無比なフォアハンドを支えていることは、脚の筋肉を見ればわかります。
後ろに下げられても、攻撃力がスゴい!
緩急のあるバックハンド
バック面は粒高の一枚ラバーを貼っています。
ふわっとした変化のあるブロックをしたかと思えば、「本当に粒高?」と思えるようなバックハンドスマッシュを決めています。
裏ソフトラバーのフォア面と比べても遜色のない、速いスマッシュが決まっています。
バック面も、ミスが少ない!
引退後は武から文へ
ピンポン外交で日本に来た鄧亜萍さん
幼少の頃は卓球のエリート教育を受けていたため、勉強はそれほど力を入れていませんでした。
しかし卓球を引退したあとは勉学の方に力を入れ、清華大学で学位を取得後、イングランドのノッティンガム大学で修士、そしてケンブリッジ大学で経済学の博士号を取得しています。
清華大学は中国の一流大学ですし、ノッティンガム大学もケンブリッジ大学も超一流の大学です。
卓球だけでなく、勉学でも超一流。
違和感のない流暢な英語力には納得しかない
何かに取り組む時の集中力が、きっとずば抜けているのでしょう。
卓球で鍛えられた集中力と、努力をし続けることが、勉学と研究にも生かされたのだと思います。
鄧亜萍選手は結婚しており、一男の母。
博士号を取得した時は、子どもが小さくて子育て真っ只中のときだったはず。
夫の協力もあったこととは思いますが、子育てしながら勉学と研究に励み、博士号を取得してしまうなんて、並大抵のことではありません。
やはり、すごい人
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